関係性の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 22:51 UTC 版)
東京大大学院准教授の甲賀かをりによれば、生理の問題がなかなか表面化してこなかった背景には生理は隠すのが美徳とされてきた日本の風潮があるとしている。生理で悩む若年層に、病気ではないから薬を使うことに母親が良い顔をしなかったり、生理で産婦人科に行くことや、子どもを産めば治るといった無理解があり、それを母親によるブロックと呼んでいる。また、親が生理用品を与えないネグレクトなどが原因の「生理の貧困」問題は以前からあり、コロナ禍で表面化しただけであると指摘している。 埼玉県川口市の中学校で勤務していた元養護教諭は、埼玉新聞の取材にて、「病気や傷害を除いて保健室に行かないように指導している学校もある」が、「生理用品を得るために保健室に通う生徒は以前からいた」と述べ、「貧困層の子供は自分の立場を声に上げづらく、生理用品を取りに保健室に向かう生徒には理由がある」と述べている。学校によって、保健室で借りた生理用品は、後で新品を返すルールがある学校もあった。 個人差、家庭内の理解にも差があることが指摘されている。生理用品のうち月経カップや布ナプキンの利用について推奨する意見もあるが、親の庇護下にある子供の場合、物の管理や母親の無理解などが原因で利用できないケースが指摘されている。 「#みんなの生理」と「日本若者協議会」が女子学生に向けて行ったアンケート調査では、「生理で学校・授業・部活を休みたいと思ったことがある」のは、300人の回答のうち93%に及び、そのうち3人に2人は「それでも学校を休めない」と答えていた。「休めない」理由として、「成績や内申点に悪影響が出る」が63%、「生理を理由に休んでいいと思わなかった」も57%にあり、休めないことで「授業に集中できなかった」が81%に達した。また、学校を休んだ場合でも、3人に1人が「生理による欠席で成績や内申点を下げられた」と答えた。そのうえで、学校での「生理休暇」の導入には、9割以上が賛意を示した。
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