鏡映群との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 21:26 UTC 版)
詳細は「鏡映群」を参照 コクセター群は鏡映群の概念と深く結びついている。単純に見ると、コクセター群が(生成元と基本関係によって与えられる)抽象群である一方、鏡映群は(線型代数群の部分群またはその適当な一般化として与えられる)具体群である。実際、コクセター群は鏡映群の研究の過程でその抽象化として生まれたものである。鏡映群は鏡映(つまり位数 2 の合同変換)で生成される線型代数群の部分群であり、他方のコクセター群は対合(つまり位数 2 の変換、鏡映の抽象化)で生成されるが、これらの間の対応はある決まった仕方で与えられる(基本関係 (rirj)k は π/k の角度で交わる超平面に対応しており、rirj の位数が k であるということが 2π/k の回転の抽象化になっている)。 鏡映群からこのようにして得られる抽象群はコクセター群であり、逆に鏡映群をコクセター群の線型表現とみなすことができる。有限コクセター群に対しては、この対応は(函手として)完全である。つまり、任意の有限コクセター群はある次元のユークリッド空間における有限鏡映群としての忠実な表現を持つ。一方、無限コクセター群は必ずしも鏡映群として表現されるとは限らない。 歴史的には (Coxeter 1934) で任意の鏡映群がコクセター群であること(すなわち任意の鏡映群に対して、基本関係が ri2 または (rirj)k で尽くされるような表示ができること)が示されており、実際この論文でコクセター群の概念が導入されている。逆に (Coxeter 1935) で有限コクセター群が必ず何らかの鏡映群として表現できることが示されており、したがってこれで有限コクセター群の分類は終了している。
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