銀塩写真とは? わかりやすく解説

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ぎんえん‐しゃしん【銀塩写真】

読み方:ぎんえんしゃしん

銀塩1感光剤とすることからいう》デジタル写真対しフィルムカメラ撮影した写真また、その写真印画紙焼き付けたり印刷物したもの


銀塩写真

読み方ぎんえんしゃしん
【英】silver halide prints, silver halide photo

銀塩写真とは、感光材料塗られフィルム露光させる方式撮影した写真のことである。すなわち、フィルム記録媒体として使用した従来カメラ写真のこと。単純に写真呼ばれることもある。

デジタルカメラ登場以後、それと明確に区別するために従来写真を銀塩写真などと呼ぶようになった塩化銀臭化銀といったハロゲン化銀が光に当たることで黒化する原理利用している。銀塩写真は一度撮影したものは撮り直しができず、現像焼付けをしなくては仕上がり確認できない

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銀塩写真

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/08 07:31 UTC 版)

1980年代 - 1990年代の「銀塩フィルム」のパッケージ群。

銀塩写真(ぎんえんしゃしん)は、乾板写真フィルム、さらには印画紙に、銀塩(ハロゲン化銀)を感光材料として使用する写真術による写真である[1][2]。銀塩写真のうち、写真フィルムを使うものをフィルム写真という。銀塩写真用のカメラを銀塩カメラ、またそのうちで写真フィルムを使うものをフィルムカメラと称する[2]。銀塩写真においては、フィルム等の感光媒体の表面にある、ハロゲン化銀を含んだ感光乳剤英語版に光を当て、潜像として記録する。そののちゼラチンシルバープロセス英語版などの処理方法に沿って現像し、さらに引き伸ばしによって写真(プリント)を得る。これらは伝統的には全て光学的および化学的な過程のみでおこなわれていた。近年では撮像素子によるスキャンやプリンタによる印刷などといった機材が途中に入ることもある。

写真フィルム

【図1】単純化したフィルムの構造。

乾板がすたれた後は、もっぱら写真フィルムが使われている。その構造は、カラーの135フィルムを例にとると図1のようである。

  1. フィルムベース英語版 - 写真用フィルムの基底・支持体[3][4]ポリエステルトリアセテートセルロース英語版でできている[3][4]
  2. 下塗層 - ハレーション防止層[4]。乳剤層を通過した光がフィルムベースで反射するのを防ぐ[4]
  3. 赤感性層 - 乳剤層(感光層)、ゼラチン塩化銀臭化銀沃化銀などの銀塩)を水と混和させたもの[5][6]
  4. 緑感性層 - 乳剤層(感光層)、ゼラチンに塩化銀(臭化銀、沃化銀などの銀塩)を水と混和させたもの[5][6]
  5. 黄色フィルター - 余分な青色光の透過を防ぐ。
  6. 青感性層 - 乳剤層(感光層)、ゼラチンに塩化銀(臭化銀、沃化銀などの銀塩)を水と混和させたもの[5][6]
  7. 紫外線吸収フィルター英語版 - 可視光線の外側にある紫外線を吸収し、青色のカブリや赤色に濁るのを防ぐ[7]
  8. 保護層 - フィルム表面のもっとも外側の層で乳剤が傷つくのを防ぐ。
  9. 可視光線

感光材料の種類・分類

カメラに装着して使われる感光材料の代表的なものは写真フィルム乾板である。またプリントに使用されるのは印画紙である。原理上、通常の現像プロセスでは、陰陽が逆転したネガ画像が得られる。ポジ画像は、プロセスを2回重ねることで「ネガのネガ」として得るか、「リバーサル現像」によって得る。特にカラーフィルムではリバーサル用に設計されたフィルム(リバーサルフィルム)がある。

撮影機材

由来としては、暗箱の意である「カメラ・オブスキュラ」を略したものだが、今ではもっぱら写真を撮影する機材を指してカメラと呼んでいる。

現像

通常、露光によって得られる潜像は、そのままでは可視ではなく、光化学反応が続けて起きてしまうのでそもそも見るために光を当てることもできない。潜像から可視な像を得てそれを固定するプロセスを現像という。

非銀塩写真

元素の銀が原材料として高価であるといった理由から、銀塩以外(ハロゲン化銀以外)を利用する写真術が研究されている。一般写真用としては広く一般に普及はしていないが、原理的にはその一種である青写真複写用としてかつては多用されていたし、「電子写真」という語もかつてはもっぱら普通紙コピー(Plain Paper Copier)、いわゆるゼログラフィ方式を指していた。

その他

修復

化学反応を利用して劣化した銀塩写真を修復する方法があり、日本の村林孝夫が特許を持っていた(なお、登録3446174号については(他には不明)1999年7月登録のため、2019年7月が期限であったが、特許(登録)料未納により2009年07月に本権利は消滅されている)[8][9]

脚注

  1. ^ デジタル大辞泉『銀塩写真』 - コトバンク、2011年12月15日閲覧。
  2. ^ a b デジタル大辞泉『銀塩』 - コトバンク、2011年12月15日閲覧。
  3. ^ a b デジタル大辞泉『フィルムベース』 - コトバンク、2011年12月15日閲覧。
  4. ^ a b c d カメラマン写真用語辞典『フィルムベース』 - コトバンク、2011年12月15日閲覧。
  5. ^ a b c デジタル大辞泉『乳剤』 - コトバンク、2011年12月15日閲覧。
  6. ^ a b c カメラマン写真用語辞典『乳剤』 - コトバンク、2011年12月15日閲覧。
  7. ^ カメラマン写真用語辞典『UVフィルター』 - コトバンク、2011年12月15日閲覧。
  8. ^ 写真化学修復師 村林孝夫
  9. ^ 写真化学修復師 村林孝夫テレビ東京「匠の肖像」2008/2/8

参考文献

  • Wall, E.J. (1890). Dictionary of Photography. London: Hassel, Watson and Viney Ltd 
  • The British Journal (1956). Photographic Almanac. London: Henry Greenwood and Co Ltd 

関連項目

外部リンク


銀塩写真

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 08:42 UTC 版)

臭化カリウム」の記事における「銀塩写真」の解説

臭化カリは、かつては銀塩写真において現像処理多用された。ブロムカリとも呼ばれる現像液 現像液助剤現像抑制剤としてカブリ(弱感光部への過度な現像作用)を抑制するが、近年では処方されないことが多い。天体写真などでハイコントラスト仕上がり要求される場合使用されることがある定着液 カロタイプなど写真技術創成期には定着液主剤として使用されたが、現在はチオ硫酸ナトリウム使われることが多い。

※この「銀塩写真」の解説は、「臭化カリウム」の解説の一部です。
「銀塩写真」を含む「臭化カリウム」の記事については、「臭化カリウム」の概要を参照ください。

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