邦題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/21 01:31 UTC 版)
邦題(ほうだい)は、日本以外の映画名、書籍名、楽曲名などを日本語で付け直したものである。これに関連して、本来の作品名のことを「原題」という。
直訳や意訳、カタカナ転写も邦題であるが、本項では意味が著しく異なるものを特に取り上げる。
邦題の変化
最近では(おもに1990年代後半以降)、「一見外国語表記だが、原題とは全く違う」邦題が付けられることも増えてきている[1]。
著しく原題と異なる著名な邦題の例
小説・絵本
- アラビアンナイト(原題『ペルシャ語: هزار و یک شب』、直訳は「千夜一夜物語」) - 直訳のタイトルでも出版されることがある。
- 赤毛のアン(原題『Anne of Green Gables』、直訳は「緑の切妻屋根」。)
- アラバマ物語(原題『To Kill a Mockingbird』、直訳は「マネシツグミを殺すこと」。)
- 『おばけのバーバパパ』(原題『Barbapapa』。翻訳者の山下明生によると『オバケのQ太郎』を意識したものだとのこと[2])
- 『しろいうさぎとくろいうさぎ』(原題『The Rabbit's Wedding』〈うさぎのけっこん〉。ネタバレ回避のため変更[3])
音楽
- 平均律クラヴィーア曲集(原題『Das Wohltemperierte Klavier』、直訳は「心地よい鍵盤楽器」などという意味) - 平均律で調律された鍵盤楽器用曲集だろうという憶測による意訳だと言われる。
- 真実 (アルバム)(原題、直訳は長いので省略) - 原題は発表時に世界一の長さとされたが、日本語版は「真実」と短い。
映画
- 『インビジブル』(原題『The Hollow Man』[1])
- 『カル』(原題『tell me something』。韓国映画とすぐわかる題にするため、邦題は朝鮮語を用いた[1]。意味は「刀」)
- 『グリーン・デスティニー』(原題『Crouching Tiger, Hidden Dragon』[1])
- 『ステューピッド・イン・ニューヨーク』(原題『Kicked in The Head』[1])
- 『マーシャル・ロー』(原題『The Siege』[1])
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』(原題『Thor: Ragnarok』)
- 『塔の上のラプンツェル』(原題『Tangled』)
- 『ワイルド・スピード』(原題『The Fast and the Furious』)
- 『マイ・インターン』(原題『The Intern』)
- 『シンクロナイズドモンスター』(原題『Colossal』)
- 『紅海リゾート -奇跡の救出計画-』(原題『The Red Sea Diving Resort』)
- 『でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード』(原題『Clifford the Big Red Dog』)
- 『バス男』(原題『Napoleon Dynamite』) - ただし、後に問題とされ『ナポレオン・ダイナマイト』と単純な原題のカタカナ転写に改題される。
- 『アナと雪の女王』(原題『Frozen』)
脚注
- ^ a b c d e f 「原題? いいえ、日本だけ 外国映画、配給元が『日本オリジナル』」『朝日新聞』2000年8月30日付朝刊、27面。
- ^ 『MOE』2015年11月号、73頁。
- ^ 『MOE』2015年11月号、30頁。
関連項目
外部リンク
邦題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 05:47 UTC 版)
邦題の『赤毛のアン』は、村岡花子が初邦訳を手掛けた時に付けられたものである。村岡は教文館の同僚、カナダ人宣教師ミス・ショーが戦局から1939年にカナダに帰る際に原書を渡された(ショーは出版の翌年に亡くなり、再会することはなかった)。当初、村岡は『窓辺に倚る少女』という題を考えていたが、刊行する三笠書房の編集者・小池喜孝が『赤毛のアン』という題を提案し、当時の社長の竹内道之助が村岡にこれを伝えた。 村岡はこれを一旦断るが、これを聞いた村岡の娘のみどり(当時20歳)が『赤毛のアン』という題に賛同し、これを強く推した。このため村岡は、娘のみどりのような若い読者の感覚に任せることにし、『赤毛のアン』という邦題を決定した。しかし、こうして刊行された『赤毛のアン』の表紙に描かれていたのは、どう見ても金髪の少女であった。 なお、イタリア語訳の題名も「赤毛のアン」を意味する Anna dai capelli rossi となっているが、これは、翻訳書の刊行よりも先に、日本のアニメ作品が、この題名でイタリアで放送されたことが影響していると考えられている。
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