逆転劇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 16:02 UTC 版)
「梅原大吾#背水の逆転劇」も参照 最終ラウンドの第一試合において、ウォンは自分のスタイル通り守備的でオーソドックスなプレーに徹し、リスクを負ってでも攻撃的にプレーしたい梅原のライフゲージを少しずつ削っていった。『ローリング・ストーン』誌はこの試合におけるウォンの動きを「梅原の攻撃的な姿勢のアンチテーゼ」と評し、ウォンの「待ち戦法(turtling)」が「彼〔梅原〕をイライラさせるのに」有効であった、と書いている。試合当日に解説を務めたカプコン社員セス・キリアンは「これはDaigoが本当に怒っている、珍しい場面です ... ジャスティンの待ちスタイルにやられる寸前です」とコメントした。梅原はケンの体力が最後の1ドットを残すところまで追い詰められた。残り26秒で、ウォンは時間稼ぎ(英語版)をして完封することもできたが、試合を決めにいった 。 必殺技を放てば防御されてもわずかなダメージを相手に与えることができるため、技がつながれば梅原のキャラクターをノックアウトすることができるはずだった。そこでウォンは春麗のスーパーアーツII「鳳翼扇」を繰り出した。しかし梅原はこの攻撃を避けず、代わりにハイリスクハイリターンのテクニックである「ブロッキング」を選択した。「ブロッキング」はプレーヤーの体力を失うことなく攻撃を防ぐことができるが、そのためには攻撃が当たるとほぼ同時、つまり30フレームの効果アニメーションのうち4フレーム(約100分の7秒)以内に、前方もしくは真下にレバーを動かす必要がある。逆に言えば相手のスーパーアーツがいつ始まるかを予測する必要があり、基本的に最初のブロッキングは相手の技が始まる前に先読みして入力する必要があった。 『GamePro(英語版)』と『Eurogamer』は、梅原がウォンの技をブロッキングするたびに歓声が湧き起こったように、ギャラリーがみせた「高揚感」でこの逆転の場面が盛り上がったことに注目している。そして梅原は、会場を埋め尽くすアメリカ人のギャラリーの前で、トーナメント最後のアメリカ人であるウォンが必殺技を使い劇的な勝ち方で決めにくることを読んでいた、と言われる。実際にスーパーアーツが繰り出されると、梅原は15連続打撃を全てブロッキングし、最後にジャンプ中に春麗のキックをブロッキングしてから反撃(カウンター)に移り、12ヒットコンボを繰り出した後、ケンのスーパーアーツIII「疾風迅雷脚」で締めて、試合に勝利した。 グランドファイナルでは梅原はユンを使用した日本人プレーヤー「K.O」に敗れた。
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