身
しん【身】
読み方:しん
[音]シン(呉)(漢) [訓]み みずから
〈シン〉
1 人のからだ。「身体・身長/護身・焼身・心身・全身・長身・病身・満身・裸身」
3 社会的な地位や立場。みぶん。「身上(しんじょう・しんしょう)・身代/出身・前身・独身・保身・立身」
み【身】
読み方:み
《「実」と同語源》
[名]
1 生きている人間のからだ。身体。「茂みに—を隠す」「装飾品を—につける」
2 わが身。自分自身。「—を犠牲にする」「だまっている方が—のためだぞ」「—の危険を感じる」
3 自分が何かをやろうとする心。誠心。「勉強に—が入らない」
4 地位。身分。立場。「—のほどをわきまえる」「家族を扶養する—」「他人の—になって考える」
5 皮や骨に対し、食べられる部分。肉。「魚の—をむしる」「—の小さな蛤(はまぐり)」
6 容器の、ふたに対して物を入れる部分。また、ふた付きの鏡などで、ふたに対して、本体のほう。
7 衣服の袖・襟・衽(おくみ)などを除き、胴体を覆う部分。身頃(みごろ)。
[代]
1 一人称の人代名詞。わたし。それがし。中世・近世で用いられた上品でやや尊大な言い方。
「—が申すやうは」〈伽・三人法師〉
2 二人称の人代名詞。「お」「おん」に続けて用いられる。→御身(おみ・おんみ)
[下接語] 赤身・当たり身・当て身・脂身・新(あら)身・生き身・入り身・浮き身・憂き身・受け身・後ろ身・打ち身・現(うつ)し身・上(うわ)身・大身・御(お)身・御(おん)身・影身・片身・肩身・空(から)身・変わり身・黄身・切り身・黒身・笹(ささ)身・刺し身・差し身・下身・死に身・白身・親身(しんみ)・剝(す)き身・捨て身・擂(す)り身・総身・反り身・立ち身・作り身・中身・長身・生(なま)身・抜き身・裸(はだか)身・肌身・半身・一つ身・人身・独り身・不死身・古身・細身・骨身・本身・前身・三つ身・剝(む)き身・四つ身・寄り身・我が身
む【▽身】
むくろ【×躯/▽骸/▽身】
体
体(體、躰、躯、身体、からだ)、身体(しんたい)は、生物学的かつ文化的に規定された、有機体としての人間や動物の構造を指す。人間は身体を通じて世界を経験し、世界を構成する。
概説
「体」という言葉は文脈に応じて、「身体(しんたい)」が同義語であったり、「胴」が同義語であったり「肉体(にくたい)」が同義語であったりする。頭・胴・手足などをまとめて「体」と呼ぶこともあり(この場合、五体とも身体とも言う)、五体から頭や手足を除いた部分(この場合、胴ともいえる)を「体」と呼ぶこともある。
「体と心」あるいは「体と魂」というような対比のもとに用いられていることもある。その場合、「からだ」は人間や動物の、心的あるいは精神的な面ではなく物質的な面を指す。また人間や動物の生理的な側面や、性的な側面を指すこともある(肉体ともいえる)。人間の生理的側面や医学・解剖学的側面を指して「からだ」と言っている場合は、「人体」が同義語である。
日常語で「体の具合はどうですか」と聞く時には、健康状態を尋ねている。その場合、単に生理的な面について聞いているだけではなく、気分がすぐれないとか、精神的にまいっているといった面も含め、心身の総体について聞いている。
自分のからだをどのように扱いそれにどのような意味を見出しているのか、他者の身体をどのように扱いそれにどのような意味を与えるのか、またそうした意味づけによって、人間存在と身体との関係をどのようにとらえるのか、ということは文化的なことである[1]。人類がそうしたことについてどのようなルールを発達させてきたのかについてはあらためて多方面から問いただす必要があると考えられるようになっている、と波平恵美子は述べている[1]。
人のからだ
自らの体を使って知ることは「体験」と呼ばれ、言葉だけによる知識とは区別され重視されている。
からだについての教育は日本では「保健」や「保健体育」という科目で行われている。
人間のからだは性別によって異なった傾向がある。それが喜びの源となっている場合もあれば、葛藤の源となっている場合もある(「性」・「ジェンダー」の項も参照)。
人間は衣類をまとい身体を隠し装う傾向がある。化粧によってからだを装う人も多い。からだに改変を加えようとする人もいる(身体改造)。からだを芸術の媒体(マチエール)として使う人もいる(ボディアート)。衣類をまとわない体は「裸」・「裸体」と呼ばれているが、それは現代人にとっては何らかの意味を持つようになっている(「ヌーディズム」の項も参照)。
死亡したことをはっきりさせたり強調する場合は「死体」と呼び区別される。「ご遺体」や「なきがら」・「骸(むくろ)」とも。逆に生きていることを明示する場合は「生体(せいたい)」と呼ばれることもある。日本には、欧米諸国などと比較すると、家族などの遺体にこだわりをもっており、それを取り戻そうとする文化を持っている[1]。欧米では一般的には、日本人ほどには家族の遺体にこだわりを持たない。
体の位置や姿勢のことを「体位(たいい)」と呼ぶが、医療・看護・介護領域では特に頻繁に使われている。
からだに関することば
- 上半身(じょうはんしん) - 人間の腰より上の部位を指す。下半身の対立概念。半身像とは上半身を絵画・ (そぞうか)したものである。
- 下半身(かはんしん) - 人間の腰より下の部位を指す。上半身の対立概念。もっぱら人間の身体に対してのみ使う。下半身につける衣類をボトムスと言う。人間は日常生活において、下半身に比べ上半身の方をよく動かすため、下半身の贅肉は取れにくいと考えられている。生殖器官の婉曲表現としても用いられる。
- 主な部位
生物一般において
![]() | この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2012年3月) |
生物の種によって多種多様な体の特徴があり、どの種にも共通する体の構造というものは皆無に等しい。
例えば人体は頭、手、足、目、鼻、口、耳や諸々の内臓といったさまざまな器官を持つが、これらは全ての生物に共通するわけではない。ただし生殖細胞は普通は体と言わない。その意味では、体という語は栄養体に関する用語である。
環境における差異
同じ種でも住む環境によって、体に差異がみられる。
- 恒温動物の環境での体の違い
出典
- ^ a b c 波平恵美子『からだの文化人類学: 変貌する日本人の身体観』大修館書店、2005年(平成17年)
- ^ Latitudinal variation in light levels drives human visual system size(著:Eiluned Pearce, Robin Dunbar 英国王立協会の会報「Biology Letter」Published:27 July 2011. 参照日:21 June 2018. doi:10.1098/rsbl.2011.0570)
参考文献
関連書
関連項目
身
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 14:17 UTC 版)
身高 4.0 cm、身縦 22.6 cm、身横21.1 cm で、通行の硯箱より幅が広く、腰は低い。また側面がふくらみ、しまりがある。側面に意匠が施されているが、内部と底は無文の金の沃懸地となっている。 身の内部は、曲面を多用した蓋とは対照的に直線的な区画構成で、実用本位の作りになっている。まず左右に折半し、左上に銅製の横長の水滴(硯用の水入れ)、左下に金蒔絵を施した赭色の瓦硯(陶製の硯)が収められ、水滴を嵌入させた凹所は浅く、硯の凹所は深い。その右側の一段低いところは筆舟(筆置き)で、さらに右端に料紙を切るための刃子(とうす、小刀)入れを刳りこんでいる。 こうした配置形式は室町時代には見られず、例えば伝統的な形式ではこの筆舟のスペースは懸子を嵌める場所だった。本作品のような様式は光悦が創始したものとして光悦蒔絵の硯箱を特徴づける要素の一つであり、琳派の硯箱でもよくみられる。
※この「身」の解説は、「舟橋蒔絵硯箱」の解説の一部です。
「身」を含む「舟橋蒔絵硯箱」の記事については、「舟橋蒔絵硯箱」の概要を参照ください。
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「身」の例文・使い方・用例・文例
- 話に身ぶりを加える
- 君は自分自身の行動について責任がある
- 優雅な身のこなし
- 彼は立身出世した
- あなたが身につけた習慣の中では,喫煙が最悪のものです
- 身勝手を許さない
- 私もまたデトロイト出身です
- 彼の先祖はフランス出身だ
- 全身麻酔
- 終身年金
- 列車事故のニュースを聞いたとき彼の身の安全がとても心配になった
- 彼は彼女の身の安全が気がかりだった
- よろいにすっかり身を固めている
- 彼は全身耳にしていた
- 身体の調子がよいかぎり,私たちの多くは健康というものにはほとんど無関心である
- 独身主義の男性
- いい運動選手は身体の平衡感覚がすぐれている
- 身の破滅
- 完璧な作法を身につけないと紳士にはなれない
- 牛肉の切り身
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