負の側面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/12 09:31 UTC 版)
完璧主義は自殺のリスクファクターの一つである。彼らは自分に対し過度の期待を寄せている傾向があり、努力の結果が自分が求めていた基準と合わない時には自己批判を行うが、しかし彼らは世界に対して助けを求める傾向が低いため、自殺念慮のリスクが高い層である。 自身の理想に追いつけず、妥協も出来ないまま悩みとして抱え込むケースも多い。完璧主義の人は、完璧にこだわっているわけだが、当人の人生全体を大局的に見ると、本人がこだわって目指している状態とは正反対に、人生が破綻してしまっている人も多い。また、様々な精神病理を引き起こすことが多いことが知られている。 例えば、完璧主義の人間には、先延ばしの泥沼に落ち込んでしまう人もいる。「完璧にできるようになるまで人前で(評価する人の前で)見せたくない」「完璧な点数がだせるようになるまで○○に参加したくない」などという思いにとらわれて、最初の一歩が踏み出せなくなるのである。結果として経験や練習することが少なくなり、なかなか技量が上がらず、本当の実行の段階には永久に移れない、といった悲劇も起きる。また、他のもっとおおらかな人たちが、たとえ質が低くても気にせず気軽に第一歩を踏み出し、失敗することすら楽しみながら経験を重ねて、結果として無事に技量を上げてゆくのを、完璧主義者は指をくわえて眺めつづけて、自分自身を責めることになることも多い。またその意識ゆえに、自己の成し遂げた仕事等に過度な評価を求める傾向が比較的あり、俗に言う「恩着せがましい」と評される人も少なくない。 完璧主義者は大局的に見ると生産性が落ちることが多いことも知られている。すなわち、局部的な完成度の高さにこだわるあまり、大局的な状況を見失ってしまい、結果的には大局的な生産性が落ちてしまうような行為の選択をしてしまうことが多々ある。 完璧主義者は、自己嫌悪に陥る人が多い。また、強迫性障害、摂食障害などを併発する人も多い。
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