強迫性障害の症状を強迫症状といいます。強迫症状は、「強迫観念」と「強迫行為」があり、このふたつが存在して初めて強迫障害と診断されます。
強迫観念とは、きわめて強い不安感や恐怖感のことです。対象物がない不安や、「手が汚れているのではないかと気になって仕方がない」「家の鍵を閉めたか気になって仕方がない」などある特定の対象物に対する不安や恐怖です。強迫行為とは、強迫観念を打ち消すために繰り返し行う行為です。たとえば「手を一日に何十回・何百回も洗う」「会社に行く途中に何度も自宅に戻って施錠の確認をする」などです。普通のひとでも不安感はありますが、この疾患では強迫観念・行為によって日常生活に支障がでてしまいます。「施錠の確認で何度も家に帰っていたら会社に行けなかった」などです。
さらにこの疾患の特徴は、自分の行動が不合理だという自覚が患者自身にあることです。そのため「自分はおかしい」「周囲から変だと思われてしまう」という恐怖から、行動範囲が非常にせまくなってしまうことがあります。
治療には、抗不安薬や抗うつ剤を用いた薬物療法や行動療法などの精神療法が有効とされています。
きょうはくせい‐しょうがい〔キヤウハクセイシヤウガイ〕【強迫性障害】
強迫性障害
別名:強迫神経症
【英】:OCD,Obsessive-Compulsive Disorder
強迫性障害
強迫性障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 02:58 UTC 版)
強迫性障害(きょうはくせいしょうがい、英: obsessive–compulsive disorder , OCD)は、不合理な行為や思考を自分の意に反して反復してしまう精神障害の一種である[1]。1994年以前は強迫神経症の診断名であった。同じ行為を繰り返してしまう「強迫行為」と、同じ思考を繰り返してしまう「強迫観念」からなる。多くはその行為に日あたり1時間以上を費やし[2]、WHOは生活上の機能障害を引き起こす10大疾患の一つにあげている[3]。アメリカ精神医学会発行のDSM-IV(精神障害の診断と統計マニュアル)においては不安障害に分類されていたが、2013年のDSM-5からは独立した疾患概念として「強迫症および関連症群」の一つに位置づけられた[3][4]。世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD-10)では「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害」のカテゴリーに含まれている[3]。
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- 1 強迫性障害とは
- 2 強迫性障害の概要
- 3 原因
- 4 鑑別
- 5 脚注
強迫性障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/01 00:56 UTC 版)
ニコチンが強迫行動を抑えることが示唆されている。8週間のニコチンガムの使用によって5人の被験者中4人の強迫性障害が改善された。薬物を用いて強迫症状を誘発させたラットにニコチンを投与すると強迫症状が低減された。
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