せつわ‐ぶんがく【説話文学】
せつわぶんがく 【説話文学】
説話
説話文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:13 UTC 版)
説話文学では、院政期文化のあとをうけて、多くの説話集がつくられた。文芸性豊かで『今昔物語集』の続編にあたる編者不明の『宇治拾遺物語』、承久の乱後、橘成季が古来の伝説を集めた『古今著聞集』はいずれも世俗的興味の多い説話集である。『宇治拾遺物語』は196段中80段余りが『今昔物語集』と重複する。庶民の生活にふれた新鮮でユーモアに満ちた伝説や童話などを多くふくむ。また年少者への教訓書で儒教の影響がみられる『十訓抄』、源顕兼の『古事談』がある。仏教説話では禅僧無住が弘安の役前後に著した『沙石集』、平康頼の『宝物集』、鴨長明著ともいわれる『発心集』、西行の漂泊に仮託された編者不明の『撰集抄』、それに影響を受けた僧慶政作とみられる『閑居友』などがあり、いずれも世人を教化して菩提心をおこさせようという意図をともなっている。 このなかで『沙石集』は125段の短編説話が仏教原理をまじえて説かれたものであるが、鎌倉に生まれ尾張国木賀崎(名古屋市東区)の長母寺に遁世したという無住自身が諸国を遍歴したため、実際にかれが見聞したものも多く、民間の挿話や伝説、童話のほか連歌の作例などのほか、なかには当時の僧侶の生活をありのままに記したものもあり、当時の庶民の生活や思想も知られる貴重な歴史資料となっている。
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