親和性成熟
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免疫学において、親和性成熟(しんわせいせいじゅく)とは、TFH細胞で活性化されたB細胞が、免疫反応の過程で抗原に対する親和性を高めた抗体を産生する過程を指す[1]。同じ抗原に繰り返し曝されると、宿主は次々とより親和性の高い抗体を産生するようになる。二次免疫応答では、一次免疫応答に比べて数倍の親和性を持つ抗体が生成される。親和性成熟は、主に胚中心B細胞の表面の免疫グロブリンで起こり、体細胞超変異(SHM)とTFH細胞による選択の直接的な結果として生じる[2]。
注
- ^ VH、VL鎖のどちらか一方をゲノムから切り出した断片に置き換えて親和性の高い分子を探索する方法(chain shuffling法)。
出典
- ^ Ohmori Hitoshi「Studies on the molecular evolution (affinity maturation) of antibodies: unexpected encounter / 抗体の分子進化(親和性成熟)の研究: 面白い結果は思いがけなく訪れる」『岡山実験動物研究会報』第31巻、岡山実験動物研究会、2015年4月、 2-3頁。
- ^ Victora GD, Nussenzweig MC. (2012) Germinal centers. Annu Rev Immunol. 30:429-57.
- ^ Teng, G.; Papavasiliou, F.N. (2007). “Immunoglobulin Somatic Hypermutation”. Annu. Rev. Genet. 41: 107–120. doi:10.1146/annurev.genet.41.110306.130340. PMID 17576170.
- ^ a b c Roskos L.; Klakamp S.; Liang M.; Arends R.; Green L. (2007). Stefan Dübel. ed. Handbook of Therapeutic Antibodies. Weinheim: Wiley-VCH. pp. 145–169. ISBN 978-3-527-31453-9
- ^ 熊谷泉、津本浩平、前仲勝実「ファージ提示法による抗体工学」『生物物理』第37巻第5号、日本生物物理学会、1997年9月、 219-222頁、 doi:10.2142/biophys.37.219、 ISSN 05824052、 NAID 110001151879。
- 1 親和性成熟とは
- 2 親和性成熟の概要
親和性成熟
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濾胞樹状細胞は表面に抗原を免疫複合体として提示しており、中心細胞はこれと相互作用するにつれ胚中心の外縁部に移動する。外縁部にはヘルパーT細胞が多数存在しており、これと相互作用できた場合のみ中心細胞はアポトーシスによる細胞死を免れる。この、より抗原との親和性が高い中心細胞が選択される過程を親和性成熟 (affinity maturation) と呼ぶ。こうして選別された中心細胞はその後、形質細胞、ないし記憶B細胞に分化する。
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