芥川の復帰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 04:45 UTC 版)
1965年、「雲」の結成前から長期の病気療養中であった芥川が舞台に復帰し、翌年に遠藤周作作『黄金の国』で「雲」で初めて演出を手掛け、賞賛を得た。また、『リア王』(1967年)では福田演出、芥川主演で久々に名コンビによる舞台が復活するなど、芥川の復帰は「雲」に明るさをもたらした。1967年、福田は現代演劇協会内に、「雲」とは別に「劇団欅」を結成した。起用する俳優を外部から呼び寄せ、協会内に二つの劇団を抱えることになる。「雲」は芥川を中心として、福田や芥川の演出で翻訳劇から遠藤周作、安部公房らの書き下ろし作などを積極的に上演し、「欅」は、福田作・演出による書き下ろしや翻訳劇の、「雲」がカバーしきれない娯楽的要素の強いレパートリーを中心とし、それぞれの特色を見せて、「雲」と「欅」の二劇団体制は福田理事長の下、うまく機能するかに見えた。
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