聴測機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 05:18 UTC 版)
本機の聴測機は視覚と聴覚の両方によって魚雷音の音源方向を操舵員に指示する装置であり、商船の艦橋に装備され、その寸法は高さ1.08m、幅0.32m、奥行0.32mとなっていた。装置上面には音源指示灯、角度指示灯、手動停止用押ボタン、音量調節器、電源接断器、受聴器挿栓座などが装備され、聴測にあたっては拡声器または受聴器による聴測に加えて、指示灯による角度指示と電鈴警報とを併せる事で操舵員による直視直感を可能とし、特殊技能がなくても容易に常時哨戒を行えるようになっていた。 本聴測機の聴音方式は九三式水中聴音機等と同じく、目標音の到来方向応じて補音器の信号に与える遅延量を調節し、目標音が最も強く聞えた時の方位を音源方向とする最大感度方式であるが、構造を単純化して量産性を確保するために従来の整相器のような導電板や刷子などを用いず、簡易な継電器によって自動また手動で補音器回路を遅延送電網に接続して聴測角度を調定する方式を採用していた。これは、例えば一型の場合は自動操作であれば0度、30度、60度という順に30度の倍数方向に存在する音源を自動的に聴測し、操舵員は拡声器と指示灯、電鈴によってこれを確認した。また手動操作の場合は装置上面に配置された12個の手動停止ボタンのいずれかを押すことで自動聴測を停止し、押したボタンに該当する方向を聴測するというものであった。
※この「聴測機」の解説は、「三式水中聴音機」の解説の一部です。
「聴測機」を含む「三式水中聴音機」の記事については、「三式水中聴音機」の概要を参照ください。
- 聴測機のページへのリンク