系統発生とは? わかりやすく解説

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けいとう‐はっせい【系統発生】

読み方:けいとうはっせい

生物の種が進化してきた過程ドイツ動物学者ヘッケル造語で、個体発生における変化は系統発生を繰り返したのである主張した。→個体発生


系統発生

英訳・(英)同義/類義語:phylogenesis, phylogeny

進化時間対応して生物種グループ出現消滅する関係。
「生物学用語辞典」の他の用語
現象や動作行為に関連する概念:  精子形成  系統  系統分類  系統発生  系統的種分化  純系  細尿管分泌

系統発生

作者ポールディ・フィリポ

収載図書20世紀SF 5(1980年代) 冬のマーケット
出版社河出書房新社
刊行年月2001.7
シリーズ名河出文庫


系統学

(系統発生 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 17:44 UTC 版)

系統学(けいとうがく、英語:phylogenetics)とは、生物の系統的な発生、つまり生物の進化による系統分化の歴史を研究する学問。種や系統群の分化と進化を研究目的とする。

研究技術として、比較解剖学比較発生学などによって得られた形態などの情報を、統計学を駆使した分岐学などを用いて解析する。生化学的手法も古くから植物色素などの代謝産物の比較研究が系統解析の手法として用いられてきたが、これに加えて1980年代以降は、DNARNAといった情報高分子の塩基配列の解析などによる分子系統学も発達してきた。

系統学と分類学との関係

ヘッケルの系統樹(1866年)
分類群は、単系統群であることも、側系統群多系統群であることもある。

分類学は多種多様な生物を把握しやすいように(場合によっては造物主によるデザインを研究するという自然哲学的目的から)分類体系を作るのが初期の目的であった。進化論が提唱されて以降は、これに進化の様子を表現する目的(つまり系統学的な目的)が加わったのであるが、従来の分類を主目的とする考え方がすぐに消滅したわけではない。系統(系統樹の枝で示される)のみでなく、進化の段階(ヘッケル流の系統樹では進化したものが上に描かれる)でも分ける考え方が続いた(例として爬虫類の1分派である鳥類を爬虫類から分ける考え方など)。

20世紀半ばに、従来の分類学の考え方に恣意的あるいは不正確な点が多いとして、それに代わる表形分類学分岐学(分岐論)の2つの考え方が提唱された。

表形分類学(phenetics)とは、生物の多くの形質を同時に比較し、近いもの・遠いものを定量的に明らかにする考え方である。これは分類を客観的に行うことに主眼を置き、進化系統は必ずしも考慮していない。この考え方は現在はあまり重視されないが、分子系統学は塩基配列などの表形分類的な比較から始まっている(現在は分岐論的あるいは種々の統計学的方法も用いている)。

一方、分岐学(cladistics)とは、進化に伴う分岐パターンを正確に明らかにしようとする考え方で、(分岐分類学という言い方もされるが)どちらかといえば系統学の方法論である。これは生物の多くの形質を同時に比較する点では表形分類学と共通するが、想定されるいろいろな進化の道筋から、分岐回数がなるべく少ないものを正しいと考える(最節約の原理)のが特徴である。この考え方はその後次第に分類学にも取り入れられ、恐竜など化石生物の研究で主流となっている。現在では特に分子系統学に基づく分類においても重要な考え方である。

生物学以外の系統学

比較言語学においても、生物学と同じように、系統学的手法で語族語派が確立される。ただし言語は混合等の過程を経て複雑に形成されることが多いため、生物種間のような純粋な系統樹を作成できる場合は多くない。比較的系統を追いやすい語族としてインドヨーロッパ語族オーストロネシア語族があげられる。

またヒト集団の社会制度習俗写本の系統等を広く扱う文化系統学も存在する。

関連項目


系統発生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:11 UTC 版)

ティラノサウルス上科」の記事における「系統発生」の解説

ティラノサウルス科について古生物学者長きわたって理解している一方、その祖先については論争続いている。20世紀大部分わたってティラノサウルス科はほとんどの大型獣脚類を含むカルノサウルス類として一般に受け入れられており、アロサウルス科はよくティラノサウルス科祖先考えられていた。しかし1990年代初頭には系統解析により、1920年代発表され提案反映しティラノサウルス科コエルロサウルス類分類され始めた。現在ではティラノサウルス上科巨大なコエルロサウルス類として考えられている。 1994年にはホルツティラノサウルス上科エルミサウルス科・オルニトミモサウルス類トロオドン類とともに足根骨近くに第2および第4中足骨接近し第3中足骨窪み形成するアークトメタターサル構造基づいて、アークトメタターサリアと呼ばれるコエルロサウルス類分類群分類した。しかし、ディロングのような基盤的ティラノサウルス上科では足首アークトメタターサル確認されず、アークトメタターサル収斂進化により獲得されたことが示唆されている。アークトメタターサリアは瓦解し最早古生物学者はこの用語を使っておらず、ティラノサウルス上科マニラプトル形類を除く基盤的コエルロサウルス類考えられることが多い。ジュラ紀後期北アメリカの属であるコエルルスタニコラグレウスを含む分類群であるコエルルス科ティラノサウルス上科姉妹群にあたるとす研究もある。 完全な骨格から知られる最も基盤的ティラノサウルス上科グアンロンであり、プロケラトサウルス科代表格である。ストケソサウルスアヴィアティラニスを含むその他の初期の属は遥かに化石少ない。ディロンググアンロンストケソサウルスよりもわずかに派生した属であると考えられている。ドリプトサウルス長らく分類が困難であったが、基盤的ティラノサウルス上科であり、さらにエオティラヌスアパラチオサウルスよりもティラノサウルス科近縁であることが判明したモンゴルからわずかのみ化石出土しているアレクトロサウルスは、明らかにティラノサウルス上科であるが正確な関係性不明である。数多く研究者によりティラノサウルス上科考えられている他の属にはバガラアタンラボカニアがいる。白亜紀前期タイから発見されシャモティラヌスはもともと初期ティラノサウルス科として記載されたが、現在では主にカルノサウルス類考えられている。イリオスクス腸骨ティラノサウルス上科思わせる垂直の隆起持ち実際にティラノサウルス上科最初期の属である可能性があるが、確かな化石十分に発見されていない。 以下のクラドグラムは、発表の際に知られていた大半ティラノサウルス上科含んだ Loewen らによる2013年研究に基づく。 .mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green}ティラノサウルス上科 プロケラトサウルス科     プロケラトサウルス     キレスクス     グアンロン         シノティラヌス       ジュラティラント     ストケソサウルス             ディロング       エオティラヌス       バガラアタン       ラプトレックス       ドリプトサウルス         アレクトロサウルス     シオングアンロン         アパラチオサウルス         アリオラムス・アルタイ     アリオラムス・レモトゥス     ティラノサウルス科 アルバートサウルス亜科ゴルゴサウルス     アルバートサウルス     ティラノサウルス亜科     ダスプレトサウルス         テラトフォネウス       ビスタヒエヴェルソル       リトロナクス       ティラノサウルス       タルボサウルス     ズケンティラヌス                                      

※この「系統発生」の解説は、「ティラノサウルス上科」の解説の一部です。
「系統発生」を含む「ティラノサウルス上科」の記事については、「ティラノサウルス上科」の概要を参照ください。

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