粗死亡率(普通死亡率)
死亡 1の研究は死亡が人口に与える影響を扱う。死亡率 2という一般的用語は、死亡 3の頻度を計るすべての率(133-4)を意味する。特定の形容詞なしで死亡率という用語が用いられた場合は通常、粗死亡率(普通死亡率) 4(訳注)を意味する(粗率の一般的議論については136-8参照)。これは通常年率であり、すなわち一年間に生じた死亡数の、同一期間中に死亡リスクにさらされていた人口に対する比率で表される。この人口は対象期間の平均人口 5に等しく、もし人口規模の変化がかなり緩やかであれば、平均人口は通常大きな誤差を伴わずに年央人口で代用することができる。部分人口(101-6)の死亡に限って計算されたものを特殊死亡率(134-6)といい、その中では性・年齢別死亡率 6が最もよく用いられる。性を区別しない場合には年齢別死亡率 7となる。
粗死亡率
一定期間の死亡数を単純にその期間の人口で割った値を指す。国際的に死亡状況を比較する統計指標としては人口1,000人当たりの死亡数で用いられる。人口の増減傾向を調べる統計で用いられるが、高齢者が多い国では粗死亡率は高くなるため、死亡率だけでなく主要な死亡原因やその比率などが重要になる。日本人全体の死亡率の場合、通常1年単位で算出され、「人口10万人のうち何人死亡したか」で表現される。例えば高齢者社会が急速に進行する日本などでは粗死亡率は漸増傾向にあるというように、粗死亡率はその社会の人口構成の影響を強く受けるという欠点を持つ。年齢構成の異なる集団間で比較する場合や同一集団の年次推移を見る場合には、年齢構成の影響を除去した死亡率(年齢調整死亡率など)が用いられる。緊急状態では、一日あたりの粗死亡率を用い、人口一万あたりの死亡を数えその集団の重症度を判断する。(神原咲子)
参考URL:国立がんセンター対策情報センター資料集・Q&A
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/qa_links/
粗死亡率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/29 19:59 UTC 版)
粗死亡率(そしぼうりつ、英: crude death rate)は、一定期間の死亡者数を単純にその期間の総人口で割った値をいう。日本の場合は通常1年単位で算出され、「人口10万人のうち何人死亡したか」で表される。少子化が進み高齢者の割合が多くなりつつある日本などでは(高齢者は若い人より死亡率が高いため)粗死亡率が年々増加するというように、人口の年齢構成に強い影響を受ける欠点がある。人口の増減傾向を調べる統計で用いられる。 ある病気、たとえば「ガンの死亡率」もこの粗死亡率で、その病気の死亡者数を総人口で割った値を指す。
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