神学的な用法とは? わかりやすく解説

神学的な用法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/24 06:53 UTC 版)

肉 (神学)」の記事における「神学的な用法」の解説

パウロ書簡において顕著な用法は、以下に説明してある神学的な意味合いである。 聖書におけるサルクス(肉)の独特な用法は、神学的なもので、サルクスとは、創造主である神から背き去り、いのちの源である真の神を見失って生まれつき罪に傾く性質帯びた人間また、その性質意味する。人は罪を犯したがゆえに罪人宣告されるだけでなく、この罪に傾く性質生まれながらにして有しているゆえに罪人とされる聖書によれば、神(エロヒーム、Heb.)によって創造され時にはアダム(人)はこの「肉」の性質持っていなかった。キリスト教性悪説説いていると言われるが、本来の堕罪以前の人は、ことごとく善く、その限りにおいて聖書性善説支持している。悪に傾く性質は、人にとって外部からの闖入者であるので、「肉」の性質から人を解放って、聖と義とおいて神の像似て創造された本来の人間性取り戻すことが可能である。それがキリスト十字架による贖罪に基づく聖霊全ききよめわざとされている。罪への傾き易さは、アダム以来の「肉」の性質以外のもの、例えば、その人過去家庭社会環境からも来るので、罪との戦い地上ある限り終わるわけではない。しかし、ウエスレー神学では、全ききよめの経験の後は、少なくとも神への反逆心から解放されて、神的愛(アガペー)に生きる者となることができると説く。 ある人々は、この「肉」と「肉体」とを混同して、人が肉体ある限り、「肉」の性質から釈放されることはないと説くが、初代教会入り込んできたペルシャ二元論ゾロアスター教ギリシャグノーシス主義影響よるものである。これらの教えによると、肉体物質であるゆえに本質的に悪であるとされる。しかし、肉体そのものを悪とする教え聖書にはない。聖書肉体脆さ弱さ言及するが、肉体心(霊)の道具であって良いことにも悪いことにも用いられるのであるゆえに、道徳的に中立的であるとしている。問題は、罪(Sin)・「肉」の奴隷とされた意思にある。

※この「神学的な用法」の解説は、「肉 (神学)」の解説の一部です。
「神学的な用法」を含む「肉 (神学)」の記事については、「肉 (神学)」の概要を参照ください。

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