盗難と復元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 03:07 UTC 版)
ウルクの大杯は2003年4月のイラク侵攻(英語版)でイラク国立博物館から略奪(英語版)された数千点の遺物の1つである。この大杯は取り付けられていたケースから力づくでねじり取られ、一部は台座部分に残された(大杯の脚部は破壊された展示ケースの台座に取り付けられたままであった)。 ウルクの大杯は後に、恩赦の最中の2003年7月12日にトヨタ車を運転する20代前半の3人の身元不明の男によってイラク国立博物館に戻された。タイムズ誌の報道にあるようにこの時、ウルクの大杯は破損していた。 「 ブランケットにくるまれた大きな物体をブーツの外に持ち上げるのに苦労していたため、門を警備していたアメリカ人の警備員は武器を上げた。少しの間、バグダード陥落の跡に略奪によって失われたと考えられ、それを見ることはもう無いと思われていた貴重な5,000年前の杯[訳語疑問点]。しかし、男性たちの1人はブランケットを剥がし、彫刻が施されたアラバスターの破片を露わにした。これは明らかに素晴らしい品であった。高さ3フィート、重量600ポンドの欠落の無いこの破片は、ワルカの聖なる杯であり、バグダードの陥落後の無秩序の中で、世界に衝撃を与えた略奪の最中に奪い取られたすべての宝物の中でも最も貴重なものの1つであると専門家から見られていた。古代に破損し、接合されたこの杯は、再び断片となった。 」 ウルクの大杯が返却されたすぐ後、壊れて14個の断片になっていた大杯が復元されることが発表された。シカゴ東洋研究所(英語版)が発表した2枚の写真によって、(2003年6月12日時点のものは過去と比較して)大杯の上部と下部に深刻な損傷があることが示された。 完全な復元が行われたウルクの大杯(museum number IM19606)は現在イラク国立博物館で展示されている。
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