異質倍数体
異質倍数体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/10 14:59 UTC 版)
異質倍数体 (allopolyploid) とは、2種類以上のゲノムで構成されている倍数体。異なるゲノムを持つ植物間の雑種に由来すると考えられている。各ゲノムが2セットずつである場合、減数分裂の際に各ゲノムの染色体が娘細胞に均等に分配されるため、生殖能力は正常である。 染色体数を倍数性を明らかにして示すときは、例えば6セットのゲノムからなる場合、2n = 6x = 42 のように書く。 特殊な呼び方として、2種類のゲノムを持つ異質四倍体 (2n = 4x) を複二倍体 (amphidiploid) という。人工的に複二倍体を作った例としては、ハクラン(ゲノム構成 AACC: ハクサイ+キャベツ)などがある。 異質倍数体の例 普通コムギ(Triticum aestivum、2n = 6x = 42、ゲノム構成 AABBDD) タカナ(Brassica juncea、2n = 4x = 36、ゲノム構成 AABB)、セイヨウアブラナ(B. napus、2n = 4x = 38、ゲノム構成 AACC) 上記2つの植物は、Aゲノム種(B. rapa、2n = 20 : ハクサイ・日本在来アブラナなど)、Bゲノム種(B. nigra、2n = 16 : セイヨウカラシナ)、Cゲノム種(B. oleracea、2n = 18 : キャベツ・ケールなど)のゲノムを持つ複二倍体である。
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