特需景気の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:48 UTC 版)
ただ特需景気に軍需景気にしろ一過性の好景気に過ぎない場合がほとんどであるため、この特需の間に収支や設備関連への投資の健全化や関連産業の育成といった産業界の姿勢が無い場合には、特需終了直後に没落するケースも発生、更なる社会的混乱を誘発する傾向も見られる。こと特需に当て込んで無目的なまでの増産にのみ注力した場合では、需要後退後に拡大させた生産設備を持て余し、結果的に産業全体が立ち行かなくなる場合すらみられる。 また特需景気の傾向として、急速に需要が増大するために労働者の募集や産業体制の充実が間に合わず、しわ寄せが労働者に行き易い傾向が見られる。急激な増産により労働者の労働時間が急激に増加したり、あるいは老朽化した危険な設備での増産を余儀なくされた結果、安全確保が後回しになる傾向を含むためである。こういった問題は社会全体にも及び、発展途上国では児童労働の蔓延といった問題も見られる。
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