海洋脊椎動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 18:01 UTC 版)
三畳紀の末に魚類が大量絶滅に苦しむことはなかった。条鰭綱は中期三畳紀に爆発的に進化した後、後期三畳紀で一般に多様性が徐々に低下した。これは海水準の低下あるいはカーニアン湿潤化イベントに起因する可能性もあるが、後期三畳紀よりも中期三畳紀の魚類の方が研究が進んでいるというサンプリングバイアスかもしれないと考えられている。多様性は見た目には低下したが、現生硬骨魚類の大部分を含む新鰭類は原始的な条鰭綱よりも影響が小さく、現生の魚が先のグループに取って代わり始めたことが示唆されている。 魚類と同様に海生爬虫類も中期三畳紀からジュラ紀にかけて多様性が実質的に低下したが、T-J境界で海生爬虫類の絶滅率は上昇しなかった。中生代の海生爬虫類の絶滅率が最も高かったのはラディニアンの時代であり、これは中期三畳紀の末に相当する。T-J境界あるいはその直前に絶滅した海生爬虫類の科はプラコケリス科(英語版)(板歯目の最後の科)と、シャスタサウルス科(英語版)やショニサウルス科(英語版)といった巨大な魚竜だけであった。ただし、三畳紀の末には魚竜に属レベルのボトルネック効果が生じ、三畳紀の間に誇っていたほどの解剖学的多様性と相違点は二度と戻らなかった、と主張する研究者もいる。
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