津波避難ビル
津波に襲われた際の避難場所として指定されている高層ビル。低地の市街地などで高台に避難している余裕がない状況などで緊急避難所として使用される。
津波避難ビルに関するガイドラインは内閣府が2005年に「津波避難ビル等に係るガイドライン」としてまとめている。
津波避難ビルは、構造的には、1981年に纏められた新耐震設計基準に適合しており、かつRC(鉄筋コンクリート)かSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造であることが求められる。確保すべき階数(高さ)は地域ごとに想定される浸水状況に応じて決められる。津波の進行方向に対して奥行きがある形状が望ましいとされる。
2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、東北地方太平洋側の沿岸地域に大規模な津波が発生し、家屋から自動車まで波にさらって壊滅的被害をもたらした。木造住宅が全て波にさらわれた被災地でも、鉄筋コンクリート造のビルは多くが倒壊せずに持ちこたえたという。
関連サイト:
津波避難ビル等に係るガイドライン - 内閣府防災情報のページ
つなみひなん‐ビル【津波避難ビル】
津波避難ビル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 00:08 UTC 版)
津波避難ビルは、浸水想定区域内にある津波避難を目的とする工作物であって、建築物であるものが該当する。 建築物とは「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。」(建築基準法第二条第一号)とされている。 これら、建築物を活用して、津波避難のスペース、そこに至る階段やスロープ等の垂直移動施設を備えたものを津波避難ビルとする。津波避難スペースは、屋上や外廊下等の外部空間を活用するものと、屋内を活用するものが考えられる。垂直移動施設には、建築物に設置されている屋内外の階段等を用いる。ただし、津波避難ビルには、建築物の外部から避難してくることも考えられるので、新たに、外階段を設置するものもある。 津波避難ビルについては、内閣府が2005年に指針を定めており、新耐震基準(1981年施行)を満たす鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造、想定される浸水深に応じて2~4階建て以上等を要件としている。また、「津波防災地域づくりに関する法律」(平成二十三年十二月十四日法律第百二十三号)に基づき、「指定避難施設」として市町村長が指定する場合は、省令で定める安全な構造にすること(津波浸水想定を設定する際に想定した津波に対して安全な構造方法等を定める件(平成23年12月27日国土交通省告示第1318号))、基準水位以上の高さに避難上有効な屋上その他の場所が配置され、かつ、当該場所までの避難上有効な階段その他の経路があること等の要件を満たすことが必要になる。
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