正書法と発音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 00:59 UTC 版)
オランダがインドネシアの宗主国であった関係から、オランダ語式の正書法が長年使われてきたが、1972年に現行の正書法が制定され、このときインドネシア・マレーシア言語審議会により両国での正書法が統一されている。そして1977年以降は国内の印刷物などはすべてこの正書法に従っている。ただし、人名については一部表記の混在がみられる(SukarnoとSoekarnoなど)。 文字にはラテン文字(ローマ字)を用いており、ダイアクリティカルマークはほとんど用いない。日本語のヘボン式ローマ字と異なるのは、次の通りである。 c - 外来の固有名詞を除き、チャチチュチェチョのような音 [tʃ]。 例: cabe (チャベ)「唐辛子」、cinta (チンタ)「愛」。 e - エの発音の場合と曖昧母音の場合とがあり、単語により決まっている。辞書や初心者向けの本のように区別する必要がある場合には、エの発音の時に é と表記する。 f, v - 共に [f] の発音になる。 例: fiskal (フィスカル)「出国税」、visa (フィサ)「ビザ」。 sy - 英語の sh、日本語のシャ・シ・シュ・シェ・ショのような音 [ʃ]。 w - 英語の w と同じ発音になる。 例: warna (ワルナ)「色」、wisata (ウィサタ)「観光」。 ng - 鼻にかかったガ行音 [ŋ]。たとえば「風」を意味する angin [aŋin] という語は、「アギン」の「ギ」を鼻にかけて発音する。 [g] が入って「アンギン」 [aŋgin] にならないよう注意。 h - ハヒヘホのような音だが母音の後では発音されないことが多い。 例:bolehkah(ボレカ)=いいですか ny - 日本語のニャ・ニ・ニュ・ニェ・ニョのような音 [ɲ]。 kh - ドイツ語の ch のような、口腔の奥をこすって出す音 [x]。現代では [k] で発音することも多い。 そのほか、語尾の破裂音ははっきりと開放されず、その舌もしくは唇の形をして終わる。すなわち、閉鎖のみで破裂を伴わない内破音である。 アルファベットの発音は、以下の通り。 アー ベー チェー デー エー エフ ゲー ハー イー ジェー カー エル エム ABCDEFGHIJKLMエン オー ペー キー エル エス テー ウー フェー ウェー エクス イェー ゼッ NOPQRSTUVWXYZCは、古くから使われている略語の時、「セー」と発音する。例:AC=アーセー=エアコン、WC=ウェーセー=トイレ アルファベットの並び順は上の通りであるが、辞書によっては、語頭に限りKh、Ng、Ny、Syを別の文字として A B C D E F G H I J K Kh L M N Ng Ny O P Q R S Sy T U V W X Y Z のように並べることがある。すなわち、 nusuk→nganga dingin→dinihari
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