森林整備
日本は京都議定書で温室効果ガスを6%減らす約束をしました。半分以上の3・8%、実際の量にして1300万トンを森林に吸収してもらう計画です。日本の国土は7割が森林です。森林に吸収してもらうのは簡単のようですが、実は難しいです。
そもそも日本の国土にはこれ以上、森林を増やす余裕がありません。そこで今ある森林を守る活動が重要となっています。特に取り組まれているのが、木の密集を防ぐために余分な木を伐採する間伐です。農林水産省は8月末、間伐を含めた森林整備費用として1964億円を配分する2010年度予算の概算要求をしました。今年度と比べ21%増やす計画で、国も森林整備に力を入れています。
企業も森林整備に積極的です。東芝は9月11日に岩手県と森林整備に関する包括協定を締結、今後5年間で合計9000本の植林を行います。間伐や植栽、下刈りなどの森林整備を通じて、社員の環境学習の場としても活用していく考えです。ソニーは木質バイオマス発電施設までの間伐材の運搬費用を秋田県に寄付しています。間伐材の処理が進めば、それだけ森林保全に貢献できます。また、間伐材を燃料として発電するバイオマス発電なので温室効果ガスの排出もありません。富士通はマレーシアで熱帯雨林の再生活動をしています。社内で販売した飲料水の売り上げの一部を活動の支援に充てています。三井物産は全国73カ所に保有する社有林(4万4000ヘクタール=東京23区の約7割相当)で生物多様性などに配慮した森林管理を行っています。東京電力は山梨県・小菅村などと共同で「多摩川源流百年の森プロジェクト」を進めるほか、各地で多くの取り組みを展開しています。
世界中の温室効果ガスの排出量は、自然界で吸収できる量の2倍を超えていると言われています。森林(緑)を増やすことも地球温暖化防止にとって大切です。
(掲載日:2009/09/23)
森林整備
国土の3分の2を森林が占める日本。その森林は二酸化炭素(CO2)を吸収固定し、地球温暖化の防止に大きな効果を発揮します。日本が京都議定書で約束した温室効果ガスの排出削減目標は1990年比6%削減ですが、その内3・9%は森林による吸収固定を見込んでいるため、森林をしっかり整備していくことが今後の重要な課題になっています。
日本の木材自給率は20%程度で、その多くを輸入に頼っているのが現状です。国土の3分の2という豊富な森林資源がありながら自給率が低いのは、林業の担い手の減少に加え、国産材をビジネスとして拡大させるインフラが整っていないことなどが原因です。国産材を活用する機会が減れば間伐などの森林整備が進まず、CO2吸収固定源としての森林の機能も効果的に発揮できなくなります。
反面、国産材の利用を増やし、国内林業が活性化すれば間伐などの整備も自然と進みます。間伐で国産材の流通が拡大することに加え、木材チップは紙をはじめとする各種原料にもなり、さらに木質バイオマスとして自然エネルギーとしても活用できるなど、森林と林産品は環境保全に大きく寄与します。
政府も「美しい森林づくり推進国民運動」を展開するなど、これまでの整備不足を解消する取り組みを強化しています。2007年から2012年までの6年間で330万ヘクタールの間伐を実施する計画で、それと歩調を合わせるように最近は住宅業界や製紙業界でも国産材を積極的に活用しようとするメーカーも増えてきました。今後は国産材を使うことが環境対策の一環としてますます評価されることになりそうです。
(掲載日:2007/07/17)
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