木型
木製の鋳型用模型。加工が容易で製作時間も短く、安価であるため模型として多く使われている。しかし摩耗したり破損したり、吸温して寸法が狂いやすいなどの欠点があり、取り扱いや保管には十分注意する必要がある。製作にあたっては、精度、仕上げしろ量など、用途により木材の種類を選択する必要がある。木型に使われる代表的な木材には、質が緻密で強度が高いほう、加工しやすく安価な杉、安価で狂いの少ない松などがある。木型の品質的欠点を補うものとして金型模型がある。木型にするか金型にするかは、生産数より採算性を考慮して決定される。自動車部品のように生産数の多いものは、ほとんどが金型模型が使用されるが、自動車部品でも試作品は木型が多い。
反対語 金型木型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/02 04:23 UTC 版)
木型(きがた)とは、製品の外観の検討や機能の確認のためにつくられる原型。基本的には木製。モックアップ(mockup)とも言う。
靴製造時に皮革を押し当てて成型する道具も木型と呼ぶ[1]が、本項では上記について解説する。
概要
木型は商品の外観デザインや使い心地、可動部の検討用に用いられる。低価格ながら切削(修正)が可能な木材が多く利用されるが、石膏やプラスチックなども利用されている。
CADで設計されたインダストリアルデザインを木型にする場合、天然木材には木目が有り、NC工作機械の加工には向かないため、木目の無いケミカルウッド等の人工木材を用いる事が多い。
玩具の原型に木型が用いられることが多かったが、船舶、自動車、鉄道車両、航空機のデザインや機能の検討・風洞実験にも用いられていた。大航海時代には実際の帆船を建造する前の検討用や顧客への説明用として、同じ材料を使用した正確な縮小模型が制作されており、帆船模型という趣味として残っている。スペースシャトル・オービターは発射台までの運搬や固定など作業手順の確認用として、実物大模型「パスファインダー」が制作された。
玩具の原型の場合は、木型の段階で可動部のギミックなどを再現、パーツごとの分解も可能にしておき、そのまま製品の原型とすることが多かった。微妙なカーブの修正や隙間の修正には、天然木材以外に、おがくず(木の砕片)を樹脂で固めたものなども用いられる。
旧来は職人による手作業に負うことが多かったが、近年は3Dプリンタ(3Dプロッタ)の発達でCADデータをそのまま立体として成形できるようになったため、呼称はそのままでもFRPや合成樹脂で代用されている[2]。トヨタ自動車など技能継承のために新人には木材により研修を行う企業もある[2]。
自動車や携帯電話など、デザインが販売に大きく影響する商品においては、原寸大のモックアップが使われている。携帯電話店によっては、使用済みの携帯電話モックアップが販売されることもある[3]。
携帯電話店では体験用に展示する実機を「ホットモック」と呼称している。
脚注
- ^ 靴木型 100年の亜歩みに幕/東京の老舗、年内で廃業 3D印刷普及「今が潮時」『日本経済新聞』朝刊2019年12月25日(社会面)2019年12月28日閲覧
- ^ a b CORPORATION, TOYOTA MOTOR. “特集|「日本のクルマづくりを支える職人たち」第1回 木型職人 剣持正光 |トヨタイムズ”. トヨタイムズ. 2021年8月2日閲覧。
- ^ Mobile:KEYWORD モックアップ【もっくあっぷ】ITmedia(2003年4月30日20時2分更新)2019年12月28日閲覧
関連項目
- 鋳造(砂型鋳造)
- ラピッドプロトタイピング
木型(ツリー型)
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「ネットワーク・トポロジー」の記事における「木型(ツリー型)」の解説
ただ1つの根(ルートノード)から枝分かれする様に伸びていくトポロジー。 USBのような、1対多通信が主になるネットワークで使われる。
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