き‐ぐち【木口】
こ‐ぐち【木口】
木口
姓 | 読み方 |
---|---|
木口 | きくち |
木口 | きぐち |
木口 | こぐち |
木口
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 06:52 UTC 版)
男性の老人。戦時中にビルマの作戦(インパール作戦)に参加したことがある。全くの負け戦で、このとき味方の兵士が退却の時に携行していたのは自決用の手榴弾と僅かな食糧だけという絶望的な長く苦しい退却戦を経験する。途中木口も瀕死の状況に陥るが、部隊に居た戦友の塚田に救われる。塚田は木口に食料を与えようと、他の味方が売ってくれた肉を手に入れる。結局木口が食べることができず代わりに食べるのだが、それは実は二人の知る他の戦友の死肉であった。木口はそれを知ることなく、二人は帰国し別々に戦後を生きることが出来た。老人になり、東京にいる木口のもとに職を失った塚田が訪れて再会を果たす。しかしその頃の塚田は人間を食べた事を気に病みアル中となっていた。しばらくのち塚田は肝硬変による食道静脈瘤を患い入院する。塚田は心を開きにくい晦渋な人間となっていたが、介護してくれたボランティアでクリスチャンの白人、ガストンにだけは心を開いていた。死期が近づき、塚田は初めて人間を食べた事、その辛さ、それに捉われて生きた戦後を木口や妻、ガストンらに告白する。ガストンはそれは許される事だと別の逸話を持って話し、その為だったかは分からないが塚田は穏やかな死を迎えた。木口は塚田や他の戦友、敵兵達を弔うため、仏教の発祥地である印度へのツアーに参加する。
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