早老症
別名:早老症候群
英語:progeria
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群、ウェルナー症候群、コケイン症候群など、老化に似た現象が急速に進むことで特徴付けられる複数の遺伝子疾患の総称。
早老症のほとんどの例では、体細胞分裂の不全に伴う染色体異常が見られ、それに起因するタンパク質の異常化が老化を促進させるのではないかといわれている。ウェルナー症候群では、細胞分裂の際に機能するヘリカーゼという酵素タンパク質に異常が見られ、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群ではラミンAという、細胞内で核膜を構成するタンパク質に異常が見られることが知られている。しかし、2013年12月現在、早老症の発症メカニズムには未解明の点が多い。
早老症には、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群のように幼児期に発症するものもあるが、ウェルナー症候群のように成人になってから発症するものもある。ウェルナー症候群は、特に日本人に多い疾患として知られており、全世界の患者の7割が日本人だとされている。
早老症の患者は老人のような顔貌をしており、脱毛、小人症、動脈硬化、白内障、糖尿病などの、通常は高齢者に特徴的な症状を示す。早老症患者は若年のうちに、主に動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などで死に至る。2013年12月現在、早老症の根本的な治療法は確立していない。
早老症(そうろうしょう)
早老症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/27 16:21 UTC 版)
早老症(そうろうしょう、Progeroid syndromes)は、体細胞分裂時の染色体の不安定性(逆位、欠失、逆転座、相同組み換え、組み換え異常など)が認められ、加齢促進状態をもたらす疾病のことをいう。この他、後天的に、紫外線を含む放射線の被曝、化学物質による遺伝子のメチル化なども加齢を促進する要因となりうる。
概要
ほとんどの早老症においては、遺伝子が、DNA、RNA代謝に関連した酵素がもたらす染色体異常を呈することが判明している。このため、細胞増殖分裂時の異常により、遺伝子の他領域の変異、他遺伝子との共同作業の異常などを病因として、顕著な老化症状が発症する。
代表的な早老症
各国の遺伝学会で論じられる狭義かつ特徴的な早老症として、次のものがある。
- ウェルナー症候群 (WS、Werner Syndrome)
- ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS、Hutchinson-Gilford Progeria Syndrome、通称:プロジェリア症候群)
- ロスムンド・トムソン症候群 (RTS、Rothmund Thomson Syndrome)
- コケイン症候群 (Cockayne Syndrome)
- 新生児早老症様症候群(Wiedemann-Rautenstrauch syndrome)
また、広義の早老症として、次の症例を加える場合もある。
- ダウン症候群 (Down Syndrome)
- ブルーム症候群 (Bloom Syndrome)
- 毛細血管拡張性運動失調症
関連項目
- 性早熟症(別名は思春期早発症)
外部リンク
- A video of perpetual toddler Brooke Greenberg on Fox & Friends in August 2009
- The Amazing Girl Who Doesn't Age! on ABC's Good Morning America in August 2009
脚注
固有名詞の分類
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