戦争と特需
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:48 UTC 版)
詳細は「戦争の影響」、「軍事ケインズ主義」、および「朝鮮特需」を参照 朝鮮戦争 朝鮮戦争では、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)による占領時下の日本を中継基地とした米軍が日本で物資調達のために大量の米ドルを投下したため、多大な利益をもたらした。これを指して朝鮮特需という。 ただ、これは第二次世界大戦で産業レベルが一度徹底的に後退した(どん底)であった日本の復興期でもあり、単純に朝鮮戦争による米軍が日本に落としていった米ドルの力だけではないともみられている。しかし敗戦国で多大な戦時負債を抱えた日本経済が、急激に回復する一助ともなっていた部分があり、この特需は高度経済成長の足掛かりともなった。 しかしこの特需で真に潤ったのは一部財界のみで、この当時はまだ特需の利益が労働者にまで還元されてはいなかった様子もうかがえ、当時の日本国民に於ける1日摂取カロリー量は、特需の期間中でも伸びは余り芳しくない。 さらに注意すべきは、当時の日本は莫大な占領軍経費を「終戦処理費」の名目で負担していたことである。1952年(昭和27年)までの占領総経費は47億ドルとも言われ、朝鮮戦争特需の売り上げに相当する額を政府会計から米軍に支払っていた。すなわち、米軍から日本企業への支払いを日本政府が負担したに等しい。 なお、朝鮮戦争は国際的な物品不足をもたらしたため、輸出を伸ばした国が見られた。たとえば、西ドイツは、朝鮮戦争により輸出を大幅に伸ばした。 ベトナム戦争 ベトナム戦争に参戦した韓国は、米国からの巨額の援助および韓国製品に対する米市場開放とを契機に、大きな経済成長を果たした。 大事件 大事件が起きれば、それに関連した企業が刺激を受けた波及効果で増益する。 アメリカ同時多発テロ事件で、保険会社は保険料の支払いで損益を被った後、保険に加入する人々の増加によって増益した。 新型コロナウイルス感染症によって、製薬会社は増益した。
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