当局の腐敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 09:45 UTC 版)
メキシコのカルテルは、活動の一つとして裁判官を腐敗させるか脅迫するかしている。国際麻薬統制委員会 (INCB)は、メキシコは近年腐敗を減らすために協調した努力を行ったものの、深刻な問題はそのままであると報告した。連邦調査機関 (AFI)のエージェントの幾人かはシナロアカルテルのための暗殺者として働いていると信じられており、司法長官 (PGR)は2005年12月に、AFIの7000人のメンバーの内1500人近い人数が容疑者として取り調べられ、内457人が嫌疑を受けたと報告した。 近年、連邦政府はヌエボ・ラレド、ミチョアカン、バハ・カリフォルニアおよびメキシコシティで警官の起訴と追放を実施した。2006年12月にカルデロン大統領によって開始された反カルテル運動には、警察もまたカルテルのために働いているという懸念があるため、所々で警官の武器の弾道チェックも含まれる。2007年6月、カルデロン大統領は全31州および連邦直轄地から284人の連邦警察の指揮官を追放した。 「クリーンアップ・オペレーション」のもとで、2008年に数人のエージェントと高官が逮捕され、情報を売ったもしくは麻薬カルテルの保護を受けたとして告発された。いくつかの目立つ逮捕としては、連邦警察の署長であったビクトル・ヘラルド・ガライ・カデナや組織犯罪対策部 (SIEDO en)の元部長であったノエ・ラミレス・マンドゥジャーノ (en)、元インターポールのメキシコ事務所長だったリカルド・グティエレス・バーガスなどがある。2009年1月に、元インターポールのメキシコ事務所長だったロドルフォ・デ・ラ・ガルディア・ガルディアが逮捕された。ちょうど2009年7月5日に連邦下院議員に選ばれたフリオ・セサル・ゴドイ・トスカーノは、麻薬カルテルのラ・ファミリア・ミチョアカーナの幹部であることが告発された。彼は現在、逃亡している。 2010年5月、ナショナル・パブリック・ラジオは、アメリカおよびメキシコのメディア、メキシコの警察当局、政治家、研究者その他を含む何十もの情報源から主張を集めて、シナロア・カルテルが贈収賄およびその他の手段でメキシコの連邦政府と軍隊に浸透し堕落させたと報告した。その報告書はまた、シナロア・カルテルが他のカルテルを破壊し、自分たちとそのリーダー「チャポ」を保護するために政府と共謀したとしている。メキシコ当局は、麻薬カルテルに対する政府の処遇に関して、いかなる贔屓もないと否定した。以前に「なぜなら、カルテルのメンバーが司法長官のオフィスなどに浸透し、カルテルを起訴する立場である司法当局を腐敗させたからである」と報告されているように、カルテルを訴追することは困難である。
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