否認とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 学問 > 学術 > 心理学 > 否認の意味・解説 

ひ‐にん【否認】

読み方:ひにん

[名](スル)事実として認めないこと。承認しないこと。「罪状を—する」⇔是認


否認

読み方:ひにん
【英】:denial

否認とは、自分依存症であると認めないことであり、依存症の人は誰もが持っている心理である。

 アルコール依存症は否認の病といわれます。否認とは、自分が依存症になっていると認めないことを言います。「自分はアルコール依存症ではない」「自分には酒の問題はない」と飲酒の問題を全く認めないことだけではなく、「確かに酒の問題はあるが、やめようと思えばいつでもやめられる」「アルコール依存症だと思うが、それほど重症ではない」などと考えるのも、問題を実際よりも軽く考えているという点で、否認であるといえます。ほかにも、「仕事上必要だから仕方なく飲んでいる」「眠れないから飲むだけだ」などと、自分が飲酒をコントロールできないことをほかの原因に求めたり、「酒を飲んで死ぬなら本望だ」「どうせ止めてもいいことはない」などと、最初からあきらめてしまって結果的には飲み続けてしまうのも、よく見られる否認です。否認は、自分が深刻な状況にあるということから身を守るための心理的な防衛機制の一種と考えられ、依存症の人は誰でも多かれ少なかれ否認があるものです。しかし、否認は、飲酒問題の解決を妨げるものであり、否認を克服していくことが依存症の回復のプロセスそのものともいえます。

-->

 アルコール依存症は否認の病といわれます。否認とは、自分依存症になっている認めないことを言います。「自分アルコール依存症ではない」「自分には酒の問題はない」と飲酒問題を全く認めないことだけではなく、「確かに酒の問題はあるが、やめよう思えばいつでもやめられる」「アルコール依存症だと思うが、それほど重症ではない」などと考えるのも、問題実際よりも軽く考えているという点で、否認であるといえます。ほかにも、「仕事必要だから仕方なく飲んでいる」「眠れないから飲むだけだ」などと、自分飲酒コントロールできないことをほかの原因求めたり、「酒を飲んで死ぬなら本望だ」「どうせ止めていいことはない」などと、最初からあきらめてしまって結果的に飲み続けてしまうのも、よく見られる否認です。否認は、自分深刻な状況にあるということから身を守るための心理的な防衛機制一種考えられ依存症の人は誰でも多かれ少なかれ否認があるものです。しかし、否認は、飲酒問題解決妨げるものであり、否認を克服していくことが依存症回復プロセスそのものともいえます


否認

【仮名】ひにん
原文denial

精神医学において、ある人が問題または状況について事実または現実認識できない、あるいは認識したくない状態。

否認

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/15 04:38 UTC 版)

否認(ひにん、: Denial)とは、一般的には申し立てが事実ではないと主張すること[1]心理学では精神分析家ジークムント・フロイトはこれを防衛機制として挙げ、人がそれを受け入るにはあまりにも不快な事実に直面した際に、圧倒的な証拠が存在するにもかかわらず、それを真実だと認めず拒否することである[1][2][3]

これは以下の形態をとり得る。

  • 単純な否認: 不快な事実について、その現実をすべて否認する。
  • 最小化(ミニマイゼーション): 事実については認めるが、その重大性については否認する(否認と合理化の組み合わせ)。
  • 投影: 事実と重大性ともに認めるが、責任については他者を責めることで否認する。

キューブラー=ロスモデル(死に至る段階)においては、否認は第1の段階である。

心理学

現実を否認

欺瞞を利用することで事実を避けるものである。事実を否認する人は、自分自身や他の人にとって苦痛となりえる事実を避けるために、典型的には嘘を使用する。

責任の否認

以下の形を取り得る。

  • 非難: 犯罪性を直接的に、他人に転嫁する声明を出す。
  • 最小化: その行動による効果・結果について、現実よりも害が少ないと見せる。
  • 合理化: 取った選択について、それがその状況においては正しい選択であったと主張する。
  • 退行: 当人の年齢についてふさわしくない行動を取る(たとえば泣くなど)[4]

DARVO

ハラスメントでは、広範な攻撃行動が用いられる。一般には相手を妨害・動揺させるような行動が取られる。

DARVOとは虐待者の共通の戦略を示すアクロニムであり、虐待を否認(Deny)、被害者を攻撃(Attack)、攻撃者と被害者を逆転(Reversing Victim and Offender)することである。これにはガスライティングや被害者攻撃などが含まれる。

アディクションにおいて

否認の概念は嗜癖(アディクション)の理解において大変重要である[5][6]否認は病的防衛機制として、病気利得を得るために(つまり、依存を続ける言い訳として)なされる。

  • 「世の中、面白くないことばかりだ」 (世の中のせいで依存し続ける)
  • 「私はかわいそうな人なの」 (だから依存し続けても仕方ないの)
  • 「人間は誰だって死ぬんだ」(だから依存し続けても同じだ)
  • 「使っていれば落ち着くんだ」(だから依存し続けるメリットがある)
  • 「法律に違反しているわけではない」(だから依存し続けてもよい)

嗜癖における否認の三段階として、以下が挙げられる[5]

第一の否認:「自分は大丈夫!」
嗜癖であることを認めない[5]。嗜癖であることを認めると嗜癖行為をこれ以上行えなくなってしまうため、その有害性を過小評価・歪曲し、自らの問題性を否認する[5]
「少し多めに買い物をしても、返せないほどの借金があるわけではない」、「タバコ吸っていても、自分は今まで癌になっていない」、「あいつはウィスキーだけど、俺はビールだからアル中ではない[6]」「マリファナは害が少ないから、やっても大丈夫」など。
第二の否認:「いつでもやめられるから大丈夫!」
嗜癖は認めるが、セルフコントロール不能であることを認めない[5]
「自分の意思でいつでもやめられるから大丈夫!」。 周囲の者すら「最近はパチンコに行く回数が減ったから大丈夫」などと否認をすることもある。
第三の否認:「やめさえすれば大丈夫!」
嗜癖とセルフコントロール不能ともに認めるが、嗜癖のもとになった問題の存在を認めない[5]。嗜癖によって嗜癖対象以外にも生じてしまった問題を否認する。周囲との人間関係やコミュニケーション、経済問題やその人の内面などに問題があることを否認する。
「酒さえやめれば、元通りいくらでも働ける」、「クスリをやめさえすれば、俺も家族も問題はない」など。また「パチンコさえしなければ、申し分なくいい人なのに」と周囲者が「第三の否認」をすることもある。

治療において

12ステップのプログラムにおいて否認の概念は、第1、第4、第5、第8、第10ステップの基礎をなしており、そこでは否認を放棄・逆転することがうたわれている。否認や最小化の能力は、その当人がその問題行動を継続することを可能にするものである(イネーブリング[5]。それが残っていることは、嗜癖治療が効果を示さない理由の一つに挙げられる。

脚注

  1. ^ a b “denial”. Oxford English Dictionary (Online, U.S. English ed.). Oxford University Press. http://www.oxforddictionaries.com/us/definition/american_english/denial 2014年5月24日閲覧。 
  2. ^ Niolon, Richard (April 8, 2011). “Defenses”. psychpage.com. Richard Niolon. 2014年5月24日閲覧。
  3. ^ Freud, Sigmund (1925). "Die Verneinung".
  4. ^ Sirri, L.; Fava, G.A. (2013). “Diagnostic criteria for psychosomatic research and somatic symptom disorders”. International Review of Psychiatry 25 (1): 19–30. doi:10.3109/09540261.2012.726923. PMID 23383664. 
  5. ^ a b c d e f g 山本由紀; 長坂和則『対人援助職のためのアディクションアプローチ: 依存する心の理解と生きづらさの支援』中央法規出版、2015年10月2日、Chapt.1.2。ISBN 978-4805852538 
  6. ^ a b 信田さよ子『依存症』文芸春秋、2000年6月。ISBN 978-4166601080 

さらに読む

関連項目

外部リンク


否認

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 05:24 UTC 版)

ラシュヴァ渓谷の民族浄化」の記事における「否認」の解説

虐殺の後クロアチア人指導者らはプロパガンダ力を借りて虐殺否定したり、紛争に加わる他の勢力責任転嫁ようとした。ダリオ・コルディッチ(英語版)は国際連合人権センター調査官であるパヤム・アハヴァン(英語版に対してクロアチア防衛評議会アフミチの虐殺関与した事実否定し自分部下良きキリスト教徒として決しこのようなことをするずがないとして、セルビア人ムスリム人責任転嫁図りこれ以上調査必要ないとしたクロアチア防衛評議会のティホミル・ブラシュキッチ(英語版)もコルディッチの前で、イギリス軍スチュワート大佐に対して同様の否認主義態度示している。

※この「否認」の解説は、「ラシュヴァ渓谷の民族浄化」の解説の一部です。
「否認」を含む「ラシュヴァ渓谷の民族浄化」の記事については、「ラシュヴァ渓谷の民族浄化」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「否認」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

否認

出典:『Wiktionary』 (2021/08/13 12:06 UTC 版)

名詞

ひにん

  1. 事実として認めないこと。

対義語

動詞

活用

サ行変格活用
否認-する

「否認」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



否認と同じ種類の言葉


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', '', ''];function getDictCodeItems(index) {return dictCodeList[index];}

すべての辞書の索引



Weblioのサービス

「否認」の関連用語




4
100% |||||


6
96% |||||

7
96% |||||


9
94% |||||

否認のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable() {return sideRankTable;}

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



否認のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
厚生労働省厚生労働省
(C)2025 Ministry of Health, Labour and Welfare, All Right reserved.
e-ヘルスネット
がん情報サイトがん情報サイト
Copyright ©2004-2025 Translational Research Informatics Center. All Rights Reserved.
財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの否認 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのラシュヴァ渓谷の民族浄化 (改訂履歴)、依存症 (改訂履歴)、パソコン遠隔操作事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの否認 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS