こうか‐おん〔カウクワ‐〕【効果音】
効果音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/19 14:15 UTC 版)
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効果音(こうかおん)は演出の一環として付け加えられる音である。音響効果[注釈 1](おんきょうこうか、英: sound effect、サウンドエフェクト、SE)とも呼ばれる。
概要
映画・演劇・テレビドラマ・ラジオドラマ・アニメ・ゲーム等において、舞台環境、状態を説明するための具体的な環境音(戦場の銃撃音、格闘の打撃、刀で斬る音、街頭の雑踏、駅の発車アナウンス、犬の鳴き声、海辺の潮騒、食品を食べる等)や、登場人物の心象を象徴させるための音として用いられる。また、ノックの音を切っ掛けに、室内にいる役者が人を招き入れる芝居を始めるなどのように芝居の切っ掛けとしての使用法もある。音楽コンサートにおいては開演前に客席に流す音楽や歌曲もSEと呼ぶ。
効果音の制作手段としては、実際に環境音を生録音して編集・再生する方法、シンセサイザー等によって生成する方法、別の手段で似た音を発生させる方法(容器に入れた砂で波の音を作る、ロープを振り回して風の音を作る、逆さまにしたお椀を砂などに軽く叩き付けて馬の足音を作る[注釈 2])などがある。予算や利便性の都合で著作権フリーの効果音音源(CDなど)を利用する場合も多い。
歴史
正仕入れ喜劇場における効果音の指定は様々な文化において多く見られ、その多くは打楽器などが使われて本来表現されるべき音響を再現している。
西洋音楽史において作曲家が効果音を指定したのは非常に早くモンテヴェルディが最初と言われている。モンテヴェルディは弦楽器にピッツィカートやトレモロといった奏法を取り入れ、劇音楽における効果をあげた。やがて作曲家は効果音を数々の打楽器で指定するようになった。これらは通常オーケストラピット内で打楽器奏者が演奏を担当するが、一方で舞台上の小道具をリズムに乗せて音楽に取り込む例もまた見られる。(モーツァルト『魔笛』のフルートとグロッケンシュピール、ワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の黒板と金槌など)それらの効果音的な打楽器はやがて演奏会用作品でも取り入れられ、状況描写の意味合いを超えて抽象的な音響として扱われるようになった。マーラーの交響曲では特に当時珍しかった鎖や巨大木槌といった特殊な打楽器を多く取り入れている。
また日本の歌舞伎でも下座音楽として様々な打楽器による効果音が用いられている。雨うちわなど本来の音響を再現するものもある一方で、太鼓を使ったものはその打ち方によって表現する状況が体系化され、雪や妖怪など本来の音響から離れて様々な抽象的意味合いを持つものもある。
現代ではライヴ・エレクトロニクスで声楽家や楽器奏者の音響を効果音に変容させてゆく技法も見られ、現代音楽や電子音楽、音響重視の前衛的なラジオドラマ(日本ではあまり見られないがヨーロッパに多い)などに使われる。
映画においても効果音は多用される。古くは下座音楽などと同様に楽器による擬似的音響が用いられたが、現在は録音された音響をテープ編集でアテレコするのが一般的である。ヒッチコックの映画でも効果音が多数使用され、サスペンス映画の雰囲気を盛り上げるのに重要な役割を果たしている。
ゲームミュージックでは、古くは発音機能の制限からリアリティのある効果音を用いることは難しく、その代わりに1-2秒程度のジングル(短いメロディーや、グリッサンドなど電子音特有の音型)が用いられた。これらは「アイテム取得」などの抽象的な表現においても効果的な表現である。やがてPCMなどで実際的な音響が再現できるハードウェア環境が整うようになると、文章を読ませながら効果音で演出するサウンドノベルというジャンルのゲームも現れた。
脚注
注釈
関連項目
- フォーリーサウンド
- オーケストラル・ヒット
- 声喩
- サウンドデザイナー
- ジングル (ラジオ)
- 舞台音響
- 音効さん - 音響効果にスポットを当てた深夜バラエティ番組
- 音響信号処理
- 擬音
効果音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 05:23 UTC 版)
「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」の記事における「効果音」の解説
効果音は東京演劇音響研究所の柏原満によって制作されている。柏原は鉄腕アトムの録音技術に参加した際、大野松雄から効果音作りのノウハウを教わり、活字から湧き上がった音のイメージが頭の中に溜まっていき、何とかして表現したいと思っていたところで宇宙戦艦ヤマトと出会い、自身の音を発表できると思って参加した。そのため、ヤマトの効果音の作り方の根底にはアトムがあると柏原は述べている。ヤマトの効果音を作る上で「『船』のイメージを絶対忘れないでくれ」と注文を受けたが、それ以外の要望は特になかったため、ほとんど柏原自身のイメージで作っていったという。ガミラス星が映る時のおどろおどろしい音は完全に柏原が独自につけたものであり、西崎を驚嘆させた模様。 『復活篇』での効果音はサウンドボックスの倉橋静男が担当。『完結編』から26年の歳月を経ているため、最新の音響設備に合わせ、ごく一部を除き効果音が一新されたが、BGM同様ファンからは不評を買っている。そのためディレクターズカット版では、ヤマトファンにとって耳馴染みのよい『復活篇』を目指し、効果音を旧来の音源に戻している。なお、『復活篇』時にも当初柏原へオファーは来ていたが、「5.1chはちょっとできない」と断られ、一部の音データのみ借りて使用することになった。ディレクターズカット版制作時に改めて話を持ち掛けても変わらず渋られてしまい、音響監督の吉田知弘が通いつめて頼み込んだ結果、吉田が柏原の持つ音源を借り受けて復元・コピーを行うという形で落ち着いた。 『2199』ではフィズサウンドクリエイションの西村睦弘が担当となっており、『復活篇』時にデジタルライブラリ化された旧来の効果音を、現代の作風に合うように調整したうえで使用している。また、ほぼ全ての音が旧来のものに差し替えられた『復活篇』とは異なり、本作では印象的な音(主砲発射音など)は旧来のもの、現実的な音(キャラクターの動作する音など)は新規のもの(監督の出渕裕曰く「リアル系の音」)と、場面に合わせて使い分けがなされている。 柏原は『復活篇』『2199』には直接参加はしていないが、効果音を使用するにあたり「オリジナルサウンドエフェクト」という独自の肩書でクレジットされている。なお、柏原は『復活篇』でのインターネットの批評を見るまで自身の作った音にファンがいることを知らなかったと述べている。
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