加地子とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 政治 > 税金 > 地代 > 加地子の意味・解説 

か‐じし〔‐ヂシ〕【加地子】

読み方:かじし

中世名主(みょうしゅ)が小作人から徴収した年貢名主直接経営する田畑縮小して下人(げにん)などに貸す場合作人荘園領主納める本来の年貢のほかに名主納めた小作料をいう。片子(かたこ)。

江戸時代小作米のこと。


加地子

読み方:カジシ(kajishi)

平安時代以降耕作者が負担した地代一種

別名 加徳(かとく)、加得(かとく)


加地子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/06 03:33 UTC 版)

加地子(かじし)は、日本の中世において、荘園領主・国衙国司)へ納入する年貢地子の他に、名主などの在地領主に対して納入した米(作得米)を指す租税の一形態。本年貢・本地子の加徴分として賦課されたことから加地子と呼ばれるようになった。加持子(かじし)、加徳(かとく)、片子(かたこ)ともいう。

概要

国衙領荘園名田化により、富豪百姓(田堵)が名主荘官として現地経営にあたったが、名主・荘官は名田に係る官物・年貢を徴収して、国衙・荘園領主(領家)へ納入する義務を負っていた。これに伴って、名主・荘官にも加徴的な得分が認められるようになり、これが加地子と呼ばれるようになったのである。また、武家が横領に因って強奪した所領も在地不在で経営をムラへ丸投げする形態が多く、同様に名主層や在地領主が実質的に支配し加地子を権利として認められるケースが多く見られた。

加地子は、名主・荘官の主要な収入源となり、本来の年貢・地子を上回ることも珍しくなく、年貢・地子の数倍に及ぶことすらあった。この為に苛酷な重税と成る事が多く、中世には村民が寺社への寄進に由って領主を変更し、武力で在地の支配者を殺害,放逐,変更する現象が多発した。

最初、加地子は、耕作者から名主・荘官へ本年貢と合算して納入されていた。その中から、名主・荘官が自らの得分である加地子を差し引いて、残分を年貢として国衙・領家へ納入していたのである。しかし、鎌倉期ごろから、名主・荘官への加地子と、国衙・領家への本年貢が別個に納入されるようになっていった。このことは、在地領主の力が増し本来の領主が名目化形骸化した事を意味する。その後更に進んで、一部の在地領主は領主を否定し実質的な領主へと形替わり国人領主等へ変質してゆく。

中世も末期に到ると領地経営を担える知識人が増えて支配力は強く成り、より直接的に耕作者である作人(さくにん)を直接の年貢負担者として見なし、代官等を派遣して直接支配を行う様に成ったため、名主・荘官層は雑務役をこなし加地子を得るだけの地位に低下した。なお、加地子のみを得る名主を加地子名主職(かじしみょうしゅしき)という。こうして、加地子を得る権利は分化していき、売買や寄進の対象となった。

農奴使役に因る小作経営と小作料の徴収は、自らの所有する農奴に直接行わせるモノであり、加地子や地下請,荘園代官制とは異なる。

関連項目


「加地子」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



加地子と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「加地子」の関連用語



3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||






加地子のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



加地子のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの加地子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS