前後編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 09:03 UTC 版)
「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ」の記事における「前後編」の解説
構成としては、前編がテレビシリーズの第8話までを、後編が第9話以降を元に再構成されている。このような分割をしたことについて、新房は「単純に考えると6話ずつになるだろうが、第6話や第7話で区切るのは物語的にも違和感があって何かが違う。区切るのは意図的にも第8話しかなく、その上で考えて後編は第10話から始めて前編と同じシーンからスタートできればいい仕掛けになるのでは、と考えたが、第9話と第10話を入れ替えると第9話での情報や展開を元にしないと第10話が成立しない。第9話を前編に組み込むとさらにバランスが悪くなるため、現在の形になった」としている。構成するにあたって、編集を担当した松原理恵が2時間に収まる形で前編の雛形を作成し、新房がシーンの加除を行って最終的な形とした。一方、後編についてはテレビでの展開をほぼそのまま活かし、重要なシーンが多いためほとんどカットは行っておらず、第10話と第12話のラストで流れる『コネクト』も「入らないとしっくりこない」として、そのまま流れる構成となっている。 映像を作成するにあたっては、絵柄の統一を図りつつ劇場のスクリーンで映えるようになることを第一の方向性として修正されており、動画と仕上げをやり直している。また、テレビのままでは寄りすぎた印象を受けるため、画角は全体的に引きぎみになっており、「手を入れていないカットは1カットもない」と監督の宮本は語っている。オープニングや変身シーンをはじめとする新規映像の追加も行われ、中には杏子が食べているものが変更されていたり、私服姿のまどかや魔法少女時のさやかの髪飾りなど、蒼樹うめがデザインを新規に書き起こしたものもある。また、魔女が登場するシーンでも劇団イヌカレーのこだわりによって、変更が施されている。セリフについても新たに収録し直されており、新房はこうした変更について、「この劇場版は『もう1,2回ループした世界』というイメージがある。何もかもが同じではなく、細かいところがちょっと違う」としている。ただし、第10話相当分の音声については、テレビ放送時の音声をそのまま使用している。このことについて総監督の新房は「すでにあった出来事で、新たなループとは関係なく、新たにアフレコをし直す意味付けがない」と述べ、音響監督の鶴岡陽太はテレビ版10話以上のパフォーマンスを出すのは難しいため新録はしたくなかったと述べている。 音楽面では、梶浦由記が新たに約40曲の新規楽曲を書き下ろしており、特に魔女の登場シーンでは、劇団イヌカレーが考えた歌詞をドイツ語にし、コーラス曲にした楽曲を使用している。既存楽曲もバージョン違いを多数作ったほか、テレビシリーズで用いられた楽曲についても5.1chにミックスし直されている。
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