俗ラテン語とは? わかりやすく解説

俗ラテン語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 08:25 UTC 版)

俗ラテン語(ぞくラテンご、: sermo vulgaris セルモー・ウルガーリス、: Vulgar Latin)は、ローマ帝国内で話されていた口語ラテン語で、ロマンス語祖語となる言語。 ローマ帝国の崩壊後、地方ごとに分化し現在のロマンス諸語になった。


  1. ^ 「民衆ラテン語」 (Popular Latin)という名称を提唱しているのは主にラテン語研究者で、「ロマンス祖語」(Proto-Romance)という名称は主にロマンス語研究者によって提唱されている。


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俗ラテン語

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中世ラテン語」の記事における「俗ラテン語」の解説

古典ラテン語大い尊重されつづけ、文章構成模範として学ばれたが、俗ラテン語の影響また、何人かの中世ラテン語作家たちの構文論において明白である。文章語としての中世ラテン語発展高み達したのは、フランク王シャルルマーニュ後援促進され教育再生であるカロリング・ルネサンスのときであったアルクインシャルルマーニュラテン語秘書務め、彼自身重要な作家である。西ローマ帝国権威最終的に崩壊したあとの後退期以後ラテン語文学学習復興をみたのは彼の影響によってであった同時期にロマンス語への発展起こっていたが、ラテン語そのものは非常に保守的でありつづけた。もはや母語ではなくなって、古代および中世多く文法書がひとつの標準形与えていた。他方で、厳密にうならば中世ラテン語」なる単一の形は存在しない中世期すべてのラテン語著作家ラテン語第二言語として話しており、その流暢さ程度異なり構文・文法語彙はしばしば彼らの母語影響されていた。このことはそれ以後ラテン語がますます不純になっていく12世紀ころにおいてとりわけ正しい。フランス語話者によって書かれ後期中世ラテン語文書中世フランス語への、ドイツ人によって書かれたものはドイツ語等々の、文法語彙類似を示すようになる。例をあげると、一般に動詞末尾に置くという古典ラテン語慣行に従うかわりに中世著作家たちはしばしば彼ら自身母語慣習従ったのだったラテン語には定冠詞不定冠詞もなかったが、中世著作家たちはときに unus変化形不定冠詞として、ille の変化形を(ロマンス語における用法反映して定冠詞として、さらには quidam古典ラテン語では「ある、なんらかの」の意)を一種冠詞のように用いたesse(英語の be)が唯一の助動詞であった古典ラテン語異なり中世ラテン語著作家は habere(英語の have)を助動詞として用いることがあったが、これはゲルマン語およびロマンス語における文構成似ている古典ラテン語における対格つき不定詞構文 (accusative and infinitive construction) はしばしば quod または quid導かれる従属節置きかえられた。このことはたとえばフランス語における類似の構文での que用法とほとんど同一である。 8世紀後半以降すべての時代において、これらの形や用法は「間違っている」と気づけるだけ古典語構文論に十分親しんでいた(とりわけ教会内の教養ある著作家たちがおり、これらの使用抵抗していた。こうして聖トマス・アクィナスのような神学者や、ギヨーム・ド・ティールのような学識ある聖職者歴史家ラテン語は、上述特徴大部分忌避する傾向にあり、その語彙やつづりにおいて一時期画している。列挙した特徴は、法律家(たとえば11世紀イングランドドゥームズデイ・ブック)、医師技術に関する著作家世俗年代記作家らの言語においてはるかに優勢である。しかしながら従属節を導く quod の用法とりわけ広く普及しておりすべての層で見られる

※この「俗ラテン語」の解説は、「中世ラテン語」の解説の一部です。
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