世界間隔とは? わかりやすく解説

世界間隔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 14:11 UTC 版)

相対性理論において、世界間隔 (せかいかんかく : world interval世界距離 : world distanceとも) とは二つの事象英語版(世界点)の隔りをあらわす、ローレンツ不変な量である[1]。ただし、通常の意味での距離とは異なり、二つの事象間の世界間隔が零であることは、それらの事象が同一の場所で起こることを意味しない。また、二つの事象の間の関係が時間的か空間的かによって、実数値だけでなく虚数値もとりうる[1]




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世界間隔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:49 UTC 版)

特殊相対性理論」の記事における「世界間隔」の解説

前述した考察により、特殊相対性理論では時空間4次元ベクトル空間記述される事がわかった。このベクトル空間の点を世界点と呼ぶ。 慣性座標系から見てある時刻 t1 に(3次元空間上の) x1 を光が通過し、この光が時刻 t2 に位置 x2 まで伝播たとする光速度は c であったので、これは | x 1 − x 2 | | t 1 − t 2 | = c {\displaystyle {\frac {|{\boldsymbol {x}}_{1}-{\boldsymbol {x}}_{2}|}{|t_{1}-t_{2}|}}=c} すなわち、 c 2 ( t 1 − t 2 ) 2 − | x 1 − x 2 | 2 = 0 {\displaystyle c^{2}(t_{1}-t_{2})^{2}-|{\boldsymbol {x}}_{1}-{\boldsymbol {x}}_{2}|^{2}=0} である事を意味する世界点 1 と世界点 2 の間に定義されるs 12 := c 2 ( t 1 − t 2 ) 2 − | x 1 − x 2 | 2 {\displaystyle s_{12}:={\sqrt {c^{2}(t_{1}-t_{2})^{2}-|{\boldsymbol {x}}_{1}-{\boldsymbol {x}}_{2}|^{2}}}} を世界間隔もしくは世界距離[要出典]と呼ぶことにすると、ある慣性系において s122 = 0 が成り立つならば、他の任意の慣性系でも s′122 = 0 が成り立つことになる。よって、微小世界間隔 d s 2 := c 2 ( d t ) 2 − | d x | 2 , d s ′ 2 := c 2 ( d t ′ ) 2 − | d x ′ | 2 {\displaystyle \mathrm {d} s^{2}:=c^{2}(\mathrm {d} t)^{2}-|\mathrm {d} {\boldsymbol {x}}|^{2},\quad \mathrm {d} s'^{2}:=c^{2}(\mathrm {d} t')^{2}-|\mathrm {d} {\boldsymbol {x'}}|^{2}} は同次微小量であることから d s 2 = a d s ′ 2 {\displaystyle \mathrm {d} s^{2}=a\mathrm {d} s'^{2}} という関係式成り立つはずである。ここで、時空均質性からこの係数 a は慣性系間の相対速度絶対値にのみ依存することが要請される三つ慣性系 K1, K2, K3 の間の相対速度を V12, V23, V31 などとすると、それぞれの慣性系における微小世界間隔 ds1, ds2, ds3 および係数 a(|V|) についての関係式として d s 1 2 = a ( | V 12 | ) d s 2 2 , d s 2 2 = a ( | V 23 | ) d s 3 2 , d s 3 2 = a ( | V 31 | ) d s 1 2 , {\displaystyle \mathrm {d} s_{1}{}^{2}=a(|{\boldsymbol {V}}_{12}|)\mathrm {d} s_{2}^{2},\quad \mathrm {d} s_{2}{}^{2}=a(|{\boldsymbol {V}}_{23}|)\mathrm {d} s_{3}^{2},\quad \mathrm {d} s_{3}{}^{2}=a(|{\boldsymbol {V}}_{31}|)\mathrm {d} s_{1}^{2},} ∴ a ( | V 12 | ) a ( | V 23 | ) = a ( | V 31 | ) = a ( | − V 12 − V 23 | ) {\displaystyle \therefore {\frac {a(|{\boldsymbol {V}}_{12}|)}{a(|{\boldsymbol {V}}_{23}|)}}=a(|{\boldsymbol {V}}_{31}|)=a(|-{\boldsymbol {V}}_{12}-{\boldsymbol {V}}_{23}|)} が得られるが、後者左辺は V12, V23 の絶対値にのみ依存するに対して右辺向きにも依存するので、この関係式成り立つのは a(|V|) ≡ 1 のときのみである。したがって微小世界間隔はあらゆる慣性系間で保存されることになるので、有限の世界間隔についても慣性系間での保存量となる。

※この「世界間隔」の解説は、「特殊相対性理論」の解説の一部です。
「世界間隔」を含む「特殊相対性理論」の記事については、「特殊相対性理論」の概要を参照ください。

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