フセイン【Saddam Hussein Takriti】
フセイン
フセイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 09:15 UTC 版)
フセイン(アラビア語:حسين, ḤuseynもしくはḤusein)は、アラビア語の名詞・形容詞であり人名(男性名)としても用いられているフサイン(حسين, ḤusaynもしくはḤusain)の口語アラビア語発音。アラブ人に限らず各国イスラム教徒の男性名として用いられている。
預言者ムハンマドの孫でもある(アル=)フサイン・イブン・アリーの名前でもあることからイスラム共同体全体で好まれる人名となっているが、カルバラーの戦いにおける悲劇で死去したシーア派の第3代イマームということで特にシーア派信徒の間で割合が高い。
ラテン文字等による当て字はHuseyn、Husein、Hussein, Hüseyinなどがある。
概要
意味
「フサイン」(アラビア語:حُسَيْن, 文語アラビア語発音:ḥusaynないしはḥusain)とは、「佳い、善い」「美しい」「佳人、美男」を意味する「ハサン(アラビア語:حسن, ḥasan)」[1]の縮小形にあたり、「小さな佳人、小さな美男」を意味[2]する。
文語アラビア語ではフサインと発音されるが、口語アラビア語発音はフセインが多くフセーン、フスィエンなどと発音されることもある。さらにこれが口語的な発音ないしては非アラビア語的な発音になったものがホセイン、ホセーンなどである。
アラブ世界では、しばしばハサンの弟がフサインと命名され、第四代正統カリフ・初代シーア派イマームのアリーの息子たちも兄がハサン(アル=ハサン)、弟がフサイン(アル=フサイン)と名付けられた形となっている。
双数形
この男性名に関連した双数形としてはハサナイン(アラビア語: حسنين, 文語アラビア語発音:ḤasanaynないしはḤasanain(ハサナイン), 口語アラビア語発音1:ḤasaneynないしはḤasanein(ハサネイン), 口語アラビア語発音2:Ḥasanen(ハサネーン))がある。これがハサン2人を表すこともあるが、基本的には似た2つの人名を片方でまとめるという双数形のタグリーブ(تَغْلِيب, taghlīb)用法により「ハサンとフサイン」を意図しているのが一般的[2]である。
具体的には第4代正統カリフで初代シーア派イマームのアリーと預言者ムハンマドの娘ファーティマの間に生まれたシーア派第2代イマーム(アル=)ハサン・イブン・アリーと第3代イマーム(アル=)フサイン・イブン・アリーの外孫二兄弟(اَلسِّبْطَانِ, al-sibṭān, アッ=スィブターン[3])を指し、彼らに対する崇敬から男性名としてもしばしば用いられている。
アラビア語以外での発音
現代ペルシア語では「ホセイン」hosein、トルコ語では「フュセイン」 Hüseyin などと発音される。
関連語
これにニスバ語尾を付加して形容詞化・名詞化したものがフサイニー(アラビア語:حسينيّ, ḤusaynīもしくはḤusainī, 「フサインの、フサインに関連した(者)」の意)である。人名としては家名・名字に相当する出自表示を行うラストネーム部分に用いられ、主にシーア派の第3代イマーム(アル=)フサイン・イブン・アリーの末裔であることを示す。
口語アラビア語発音はフセイニー、フセーニー、ホセイニー、ホセーニーなど。ラテン文字表記で便宜上Husseini等を実際の発音と一致しない「ss」という当て字が多用されることから、フッセイニ、ホッセイニなどとカタカナ表記されることも少なくない。
名前
- フサイン・イブン・アリー
- フサイン・イブン・アリー - マッカのシャリーフ。ハーシム家の出身でヨルダンと旧イラク王国両王家の直接の祖となった。
- ホセイン・アミールアブドッラーヒヤーン - イランの外務大臣。
- ホセイン・ラジャビアン - イランの映画監督、脚本家、写真家。
- フセイン・ビン=タラール(フセイン1世) - ヨルダンの第3代国王。
- フサイン・カーミル - エジプト・ムハンマド・アリー朝のスルタン。
- フセイン・モハンマド・エルシャド - バングラデシュの第10代大統領。
- バラック・フセイン・オバマ・ジュニア - アメリカ合衆国の第44代大統領。
- ハズラット・フセイン・シャー・ワリ - インド・クトゥブ・シャーヒー王国の人物。フセイン・サーガルを建設した。
- フセイン・ラシード・アル=ティクリーティー - イラクの軍人。
- フセイン・シャー - パキスタンのボクサー。
- フセイン・セルメット - トルコのピアニスト。
- フセイン・スライマーニー - サウジアラビアのサッカー選手。
- フセイン・チャラヤン - キプロス出身のイギリスのファッションデザイナー。
ヨルダン国王以外のフセイン1世についてはフサイン1世を参照のこと。
父称、姓
- サッダーム・フセイン - イラクの元大統領
- ウダイ・サッダーム・フセイン - サッダーム・フセインの長男。
- クサイ・サッダーム・フセイン - サッダーム・フセインの次男。
- ファイサル・イブン・フサイン(ファイサル1世) - イラク王国の初代国王。
- アブドゥッラー・イブン・フサイン(アブドゥッラー1世) - ヨルダンの初代国王。
- アブドッラー・ビン・アル=フセイン(アブドゥッラー2世) - ヨルダンの第4代国王。
- ヌール・アル=フセイン - フセイン1世の4人目の王妃。
- ハヤー・ビント・アル=フセイン - ヨルダン王女、ドバイ首長妃。
- ワリス・フセイン - インド出身のイギリスのテレビ・映画ディレクター。
- イブラヒム・フセイン - ケニアの陸上選手。
- ザーキル・フセイン - インド出身のアメリカのタブラ奏者。
- ターハー・フセイン - エジプトの小説家、評論家、政治家。
- マムヌーン・フセイン - パキスタンの大統領。
- マルワーン・フセイン - イラクのサッカー選手。
- アイメン・フセイン - イラクのサッカー選手。
その他
関連項目
脚注
- ^ “المعاني : معاني الأسماء - حسن”. 2024年3月31日閲覧。
- ^ a b “المعاني : معاني الأسماء - حسين”. 2024年3月31日閲覧。
- ^ “الحسن والحسين سبطا رسول الله صلى الله عليه وسلم وريحانتاه” (アラビア語). www.islamweb.net. 2023年10月26日閲覧。
- ^ Saddam's Word - The Political Discourse in Iraq. Oxford University Press. (1998). p. 188
「フセイン」の例文・使い方・用例・文例
- ブッシュは、サダム・フセインを滅ぼすための展望を示した
- テロとの戦いは、サダム・フセインに照準を当てた
- 国内の敵に敵対し、サダム・フセインに貢献するために、1995年に若い軍人によって形成された恐れられた準軍事的な部隊
- イラクのサダム・フセイン政権へ反対において連合するグループの異種集団のグループ
- 9月16日,イラクのサダム・フセイン大統領は,国連に対し書簡で,イラクは国連による兵器査察を無条件で許可すると通知した。
- この戦争はサダム・フセイン大統領をイラクの政権から去らせることを目指している。
- そしてブッシュ大統領は,フセイン大統領とその息子たちに48時間以内にイラクを去るよう要求し,さもなければイラクが攻撃されるだろうと述べた。
- しかし,フセイン大統領は決議案を十分に遂行しなかったうえ,国連の査察に協力的でなかった。
- 4月14日,米英軍はサダム・フセイン大統領の故郷であるティクリットを制圧した。
- フセイン政権の崩壊以来,治安が悪化している。
- 7月13日,イラクの統治評議会が初会合を開き,4月のフセイン政権の崩(ほう)壊(かい)後,イラク人によって率いられる初の統治機関として,正式に活動を開始した。
- 初会合で,評議会はフセイン政権に関連した祝日を廃止し,バグダッド陥(かん)落(らく)の日である4月9日を祝日として定めた。
- イラクには,アルカイダやサダム・フセイン氏に忠誠を誓った組織,さまざまなイスラム過激派組織のような多くの暴力的なグループがいる。
- 残存しているフセイン氏の支持者は,より小規模な攻撃をしていると考えられている。
- フセイン政権の下で利益を得ていた人々やグループが,米国主導の復興や民主化への取り組みに抵抗している。
- サダム・フセイン元大統領,拘束される
- 12月13日,イラクのサダム・フセイン元大統領が,ついに米軍によって拘束された。
- 米軍は,フセイン元大統領の隠れ場所についての情報を得て,彼の故郷であるティクリットの南約15キロにある農場を急襲した。
- フセイン元大統領は,穴の中に隠れていた。
- フセイン元大統領は,数丁の銃と現金75万ドル(約8000万円)を持っていた。
- フセインのページへのリンク