スラグの利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 07:26 UTC 版)
製銑や製鋼工程を中心に、鉄鉱石の「石」の成分がその他の不純物と共に凝固してスラグが発生する。かつてのスラグは廃棄物扱いだったが、現在では[いつ?]様々な用途が開発されている。 しかしスラグの廃棄物該当性に関しては、“製鉄、製鋼及び圧延業の高炉、平炉、転炉及び電気炉から排出される鉱さいであつて、相当期間エイジングする等の措置を講ずることにより、公共用水域及び地下水の汚染を生じさせないようにしたものであっても管理型最終処分場に処分する産業廃棄物に該当する。”ことが、環境省から示されている。 2012年(平成24年)3月に経済産業省等から「スラグ類に化学物質評価方法を導入する指針について-総合報告書-」が公開された。ここでは、土壌と混合利用した場合に適用する基準が示されている。 高炉セメントは、高炉で発生したスラグを骨材にしたセメントで、古くから利用されていた。適度な強度と伸縮度の小ささが特色。現在では[いつ?]JIS(日本産業規格)にも定められ、土木向けなどに広く用いられている。また最近では[いつ?]、スラグを原料とした煉瓦や消波ブロック、吸水性を持たせた道路の舗装材などの開発が進み、土木資材の原料としてのスラグの地位はさらに高まっている。なお、製鉄所内で大量に使われている耐火煉瓦は補修の際に適宜更新されるが、その際に取り外されたものはそのまま下取りされて一般向けに再利用されることが多い(製鉄所で用いられる耐火煉瓦は高グレード品なので、割れさえなければ一般用途には十分である)。 スラグを特殊な装置で石綿状の繊維に加工した物をロックウールと呼ぶ。ロックウールは、優れた耐熱性・保温性・吸音性を活かして、住宅の断熱・吸音材として需要が増えている。また、石綿に見られる呼吸器障害の発生がないことから、工業部門でも広く利用されている。 スラグには大量の珪酸塩が含まれることから、これを粉砕することで肥料として販売されている。また、海中にスラグ製の魚礁を設置することで海藻類の生育を促し、漁場の育成に繋がる可能性があり、現在[いつ?]研究が進んでいる。
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