キブラとは? わかりやすく解説

キブラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/07 08:25 UTC 版)

キブラ (アラビア語: قِبْلَة‎ Qibla、「方角」の意味) とは、ムスリムが1日5回サラート礼拝)を行う方向である。現在のイスラム教では、メッカマスジド・ハラームにあるカアバの方向である。

概要

マスジド・ハラームがあるマッカ・アル=ムカッラマ市を中心とした正距方位図法の世界地図。メッカと世界各地を結ぶ直線が最短コース(大圏コース)であり、互いに相手の方位を表す線となる。ただし、この地図はメッカから世界各地への方角は容易に知ることができるが、例えばメッカから見た東京の方位が北東としても、東京から見てメッカが反対の南西の方位にあるわけではないことに注意。東京から見たメッカの方位は、歪んだ日本列島の形から見当は付くが、北西(真西から北へ30°程度)である。

イスラム教の礼拝堂であるモスクには、マスジド・ハラームを例外として必ずキブラを示す壁の窪み・ミフラーブがある。

イスラム教の黎明期には、キブラはエルサレムアル・アクサモスクの方向へ定められていたが、624年をもって現在と同じカアバの方向へ変更された。カアバはアッラーフに捧げられた象徴的な建物であり、アッラーフ自身にはキブラのような方向は無いとイスラム教は説いている。

古くは、ムスリムは旅行する際に、キブラを見つけるために天体観測儀(アストロラーベ)を携帯した。

ホテルの天井に掲示されるキブラの矢印(ウズベキスタンタシケントにて)

イスラム諸国(特にインドネシアマレーシアなど)の宿泊施設では、礼拝の便宜を図り、天井などに「Kiblat」「Qiblat」などと記された、メッカの方角を示す表示がされていることが多い。

また世界中のムスリム達もこのキブラをもとに礼拝を行っているが、インドネシアのようにキブラがアフリカ大陸に向っていたことが発覚したり[1]宇宙空間ではどのようにキブラが決定されるのかが問題になることもある。マレーシアの宇宙飛行士シェイク・ムザファ・シュコアの場合は、100名以上の科学者や宗教家が集まり会議が開かれた結果、「宇宙空間でのキブラは宇宙飛行士に任せる」というガイドラインが決定された[2]

脚注

関連項目

外部サイト


「キブラ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



キブラと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「キブラ」の関連用語











キブラのお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



キブラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキブラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS