のり覆工
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 06:24 UTC 版)
芝付工 - のり面に張り芝、植え芝する 総芝張 - 碁目張等がある 柳枝工 - 柳枝の元口を上流に向けて敷き、杭打のうえ柵を造り、そ中に土砂を詰める。栗石、玉を詰めると栗石そだ工となる 蛇篭工 - 竹蛇篭・柳蛇篭・鉄線蛇篭等水平に並べる腹篭、縦に並べる立篭がある 伝統的河川工法のなかでも柳枝工はヤナギが繁茂すると自然植生となってしまうので このような技術が使われたことすらわからなくなってしまう事例が多い。石と石の間に伸びたヤナギの根はやがて背後の地盤にまで伸びて石を抱き込み、強く結び付けるとともにヤナギの枝葉はしなやかなため洪水の際には粗度係数を増加させることとなり流速を弱めたり、のり面の土砂の流出を防ぐことができる。 ヤナギが繁茂すると小さな森が造られるため鳥類や昆虫類魚類の生息環境ともなり、なかでもヤナギの樹陰は魚類の巣づくりに有効であるといわれる。 柳枝エには杭木・ヤナギ杭木柵そだが必要であり、柵の間には雑石が詰められる。 杭木は元口3ないし4cmで長さ90cm程度の広葉樹が使用される。 ヤナギ杭木は元口2cm程度長さ60cm程度のカワヤナギ、ネコヤナギがよく用いられる。またヤナギそだには杭木と同じ種類の樹木の長さ3m以上の枝が必要となる。 施工の手順はのりごしらえ・杭打ち・柵そだ施工・柳枝杭打ち・雑石の詰め石・石の整形の順になる。 ヤナギは春先になると発芽し順調にいけばその年の夏には50cm程度に成長し 5年も経過すれば3m程度にも伸長する。 繁茂し過ぎると川の断面が少なくなるため刈り取りが必要になることがある。
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