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大橋ジム30周年記念

2024.05.06 MONSTER IN TOKYODOME ~井上尚弥からのメッセージ~

世界バンタム級4団体王座統一戦 井上尚弥VSポール・バトラー 4団体統一王者となった井上尚弥はベルトを抱えてガッツポーズ(代表撮影)=2022年12月13日

東京ドームで戦えることに喜びと高ぶりを感じますが、僕は今でも「『井上尚弥』に話題性なんてない」と思っています。

世界王者になっても、目の前の世界は想像していた華やかなものではありませんでした。チャンピオンになったころは、防衛戦の会場も埋めることもできない選手でした。ここまで来られたのは「ただリング上のパフォーマンスで見せる」という思いを貫いてきたから。時間はかかったかもしれませんが、それが今につながる唯一の道だったと思っています。

今年は、大橋ジム30周年の節目の年です。ジムに歴史があるのと同じように、ボクサーも急に強くなることはありません。僕がジムに入った時、世界王者だった八重樫さんの姿を見て、練習への向き合い方を学びました。1日、1日の練習にどれだけのエネルギーを注げるか。今回の試合も、いつか後輩たちにとって「あの試合があったから」というきっかけになればと思いますし、自分の練習、姿勢を見て感じてもらえる部分があればうれしいです。

ここまで来られたのは、自分の力や、これまで残してきた結果だけではありません。会長の「東京ドームを実現させるんだ」という強い思いがあったからこそだと思っています。

キャリアが浅かったころは分かりませんでしたが、会長のすごいところは「出るところは出る」勝負勘だと感じています。会長が断ろうと思っている試合でも、僕が「やります」と答えたら、その気持ちを尊重して動いてくれる。その瞬間の見極め、判断の連続の上にプロボクサー「井上尚弥」があると思っています。

今回のドーム決戦は、残りのキャリアを加速させる試合です。世界王者となって10年、大橋ジム30年のタイミングで東京ドームで戦えるのも何かの縁。この舞台に立てる意味をかみしめ、必ず成功させて、みなさんと喜びを共有したいと思っています。

井上尚弥

大橋ジム公開練習 WBC、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ(スティーブン・フルトン戦)関連 練習を公開した井上尚弥=2023年7月15日

大橋ジム公開練習 ボクシングWBAスーパー、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦関連 シャドーボクシングをする井上尚弥=2023年12月15日

大橋ジム練習 練習を公開しリングに入る井上尚弥=2022年6月28日




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