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October 06, 2007

いつのまにか「ソフトバンク」っていうと携帯電話のことになってる件

小ネタ。こういう話って、確証とかがないから単なる印象論でしかないわけなんだが、最近つらつらと思うことがある。「ソフトバンク」って名前で人々が想像するものって、今や携帯電話なんだなって。

今やお役所の方々は閲覧すらできないらしいWikipediaでみると、ソフトバンクの設立は1980年とある。コンピュータソフトの卸売業、ソフトをたくさん集めているところ、で「ソフトバンク」という名前になったのかな、と想像する。出版なんかもやってたから、要するに、パソコン関連の会社だったわけだ。

その後90年代になると、ソフトバンクはインターネット関連の投資会社、といったイメージになる。もちろんヤフーみたいに成功した例もたくさんあったわけだが、あちこち買収してはいろいろとごたごたになって、という話が相次いで出てきていたから、どちらかというと色眼鏡というか、「どこへ行っても金の話がついて回る」とか、そういう目で見られがちだったように思う。

2000年代に入っても、しばらくはそのイメージは続いていた。「時価総額経営」もいろいろといわれていたような気がするし。変わってきたのは、2004年ごろからだろうか。一番のきっかけは、やはりダイエー・ホークスの買収だったのではないか。幅広いファン層をもつプロ野球チームのオーナーとなったことで、「ソフトバンク」という名は、一部の人しか読まない新聞の経済面から、もっとたくさんの人が読むスポーツ面や社会面へ「進出」し、浸透していったのだと思う。(あ、それから、この時期ライブドアとの比較で、ソフトバンクに対する「違和感」が相対的に低下したってことも重要な要素だと思うけど、本題からそれるので捨象)

そもそも野球チームを持つ最大のメリットは名前を知られることにあるわけで(オリックスとか、野球チームを持ってなかったらいったいどのくらいの人が名前を知っていただろうか)、その意味では期待どおりの効果だ。私は、「ソフトバンクってことばは野球チームの名前っていうイメージで定着したんだな」と思っていた。

ところが今や、「ソフトバンク」っていうと、まず頭に浮かぶのは携帯電話、ではないだろうか。調査でもやればいいんだろうが、とりあえず「困ったときのグーグル様」にお願いしてみると、トップはソフトバンクそのものなのはいいとして、2番目、3番目にくるのはソフトバンクモバイルになっている。ソフトバンクホークスは4番目。

要するに、「ソフトバンク」って名前からイメージするものは、いまやまず携帯電話ってことなんだな、と思った次第。検索結果だけで語るのは乱暴だとわかってはいるが、とりあえず実感と整合的なのでそういうことにしとく。もちろんソフトバンクホークスにはファンもたくさんいるんだろうが、地域性もあるし、少なくとも携帯電話シェアにおけるソフトバンクの存在感のほうが大きそう、とはいえる。なんせ常時身につけてるからねぇ携帯電話は。もともと「ボーダフォン」だった名前が「ソフトバンクモバイル」に変わったとき、名前が気に入らないって人がけっこういたけど、今はどうなんだろう。人間って割とすぐ慣れちゃうから、今はあんまり違和感ないのかな。

別にソフトバンクについて何か特定の思いがあるわけではない。会社の名前ってのは、それなりの理由があってつけられるわけだが、だんだん会社が発展していくと、だんだんもともとの意味とはちがったかたちになっていったりする。東洋紡績が繊維ばかりやってるわけじゃないし、ホーチキが火災報知機ばかりやってるわけじゃないし。そうやってオリジナルの意味を失っていったときこそが、名前として社会に溶け込んだときってことなのかな、と思ったりしただけの話。

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