iOS 18で「メモ」アプリがパワーアップ。計算など便利な4機能

iOS 18では新機能がたくさん追加されたが、アップルの純正アプリである「メモ」の使い勝手も向上した。ここではメモに新しく追加された便利機能を4つ紹介する。
A grocery list on an iphone
Photo-Illustration: Wired Staff/Getty

iOS 18で多くの新機能が追加された。そして現在、この新しいバージョンのソフトウェアが世界中の何百万台ものiPhoneに配信されている。今回のアップデートで追加されたすべての新機能を確認するには少し時間がかかるだろう。iOSそのものの機能だけでなく、アップルが一緒に提供しているさまざまなアプリにも多くの変更が加えられているからだ。

この記事では特に「メモ」アプリの新機能に焦点を当てたい。「メール」「マップ」「メッセージ」「Safari」などのアプリと同様に、メモも大きく改善されている。便利な機能が増え、使い方の幅が広がったのだ。

メモはiPhoneのなかでも特に汎用性の高いアプリとして知られている。買い物リストの作成から日記、秘密のメッセージのやりとりまで幅広い使い方ができる。さらにiOS 18の登場で、これまで以上に便利なツールとなった。

「計算メモ」機能により、メモ内での計算やグラフ表示が可能になる。

Courtesy of Apple

計算機能

メモ内で計算ができるようになった。

メモの新しい行に、例えば「2+2」などと計算式を入力したら、続けて等号「=」を付けてみよう。すると計算結果が自動で表示されるようになった。式の数字を変更したり新たな要素を追加したりすると、計算結果も即座に更新される。

Screenshot: Courtesy of David Nield

特別な操作をする必要はない。メモが計算式を認識して計算結果を自動で表示してくれる。

変数にも対応しているので「x=10」と入力し、次の行に「4*x=」と入力すると、「40」と計算結果が表示される。変数の数字を変えると計算結果も自動で更新される。

等号の左右に未定義の変数をそれぞれ1つ含む方程式を入力してグラフを描くことも可能だ(詳しくはアップルの説明を参照してほしい)。

この「計算メモ」機能は「計算機」アプリを含むiOS 18のほかの機能にも導入される見通しである。

文字にさまざまな色のハイライトを付けられる機能が追加された。

Screenshot: Courtesy of David Nield

文字のハイライト機能

iOS 18のメモに文字をハイライトする機能が新しく追加された。これにより従来の太字、斜体、下線に加えて、特定の部分を強調したいときに使える書式の選択肢が広がった。

文字にハイライトを適用するにはメモ内のテキストを選択し、ツールバーにある「Aa」のアイコンをタップする。すると、新たに追加されたハイライト機能を含む書式設定の選択肢が表示される。ペンのアイコンをタップするとハイライトが適用される。その隣にある丸い色の付いたアイコンをタップすることで、ハイライトの色を変更することが可能だ。選べる色は「パープル」「ピンク」「オレンジ」「ミント」「ブルー」の5つである。

以前からある標準的な書式設定の選択肢も引き続きここから利用できる。ポップアップメニューから「見出し」「小見出し」などの書式を選択し、リスト形式やインデントをメモの内容に適用できる。

見出しや小見出しのセクションを必要に応じて折り畳めるようになった。

Screenshot: Courtesy of David Nield

見出し・小見出しの折り畳み

メモの各セクションを折り畳める機能だ。ほかの新機能ほど目を引くものではないかもしれないが、特に長いメモで特定の箇所を隠せる便利さは侮れない。

見出しや小見出しのセクションを折り畳む機能は自動で適用される。見出しと小見出しの設定の仕方は以前と同じだ。テキストを選択し、下の「Aa」(日本語では「あぁ」)のアイコンをタップして、見出しの一覧から適用したいものを選択する。

見出しを適用した文字をタップすると、そのすぐ横に矢印が表示される。これをタップすることでセクションを折り畳んだり、展開したりすることができるのだ。

上位の見出しを折り畳むと、そこに含まれる小見出しも一緒に隠される。メモを本格的な文書作成ソフトのように使っている場合、この機能を使うことでスクロールの頻度を大幅に減らせるだろう。

音声データの完全な文字起こしが「メモ」に表示されるようになった。

Screenshot: Courtesy of David Nield

リアルタイムでの音声文字起こし機能

iOS 18では、音声録音の文字起こし機能が新たに追加されている。ただし、この機能はデバイスの言語が英語設定になっている場合にのみ使えるもので、いまのところは日本語には対応していない。これにより「ボイスメモ」アプリからデータをコピーする必要がなくなっただけでなく、録音された音声も自動で文字起こされるようになったのだ。音声データと文字起こしはメモに自動で保存される。

この機能を使うにはメモを開き、画面下部(またはキーボードのすぐ上)のクリップのアイコンをタップして「オーディオを録音」を選択する。すると録音画面が現れ、そこにある赤い録音ボタンをタップすることで録音の開始と停止を操作できる。音声の文字起こしは自動で保存されるが、左下の吹き出しアイコンから表示・非表示を切り替えられる。

また、画面右上の「3点リーダー」のアイコンをタップして表示される一覧から、音声ファイルの名前を変更したり、必要に応じて別の場所に保存したりできる。録音を終えたら「完了」をタップするとメモに追加される。メモ内で検索をかけた場合、通常のメモの文章だけでなく、文字起こしされた文章も検索して該当する箇所を検索結果に表示してくれる。

(Originally published on wired.com, translated by Nozomi Okuma, edited by Mamiko Nakano )

※『WIRED』によるiOSの関連記事はこちら。


Related Articles
Apple iPhones
アップルが正式にiOS 18とiPadOS 18をリリースした。すべての新機能とダウンロード方法を解説する。
Apple computers
アップルが「macOS Sequoia」をリリースした。新OSの注目すべき新機能からインストール方法、そして対応機種を紹介していこう。
article image
「iPhone 16 Pro」の注目ポイントは「Apple Intelligence」に対応することだ。このAI機能には大きな期待がもてるが、現時点では一般的にはまだ利用できない。

雑誌『WIRED』日本版 VOL.54
「The Regenerative City」 好評発売中!

今後、都市への人口集中はますます進み、2050年には、世界人口の約70%が都市で暮らしていると予想されている。「都市の未来」を考えることは、つまり「わたしたちの暮らしの未来」を考えることと同義なのだ。だからこそ、都市が直面する課題──気候変動に伴う災害の激甚化や文化の喪失、貧困や格差──に「いまこそ」向き合う必要がある。そして、課題に立ち向かうために重要なのが、自然本来の生成力を生かして都市を再生する「リジェネラティブ」 の視点だと『WIRED』日本版は考える。「100年に一度」とも称される大規模再開発が進む東京で、次代の「リジェネラティブ・シティ」の姿を描き出す、総力特集! 詳細はこちら。