アップル、M4搭載「iMac」発表。AI対応、マウスやキーボードはUSB-Cに移行

2024年モデルのiMacは、最新のM4チップを搭載し、Apple Intelligenceに対応した。周辺機器の「Magic Keyboard」「Magic Mouse」「Magic Trackpad」の接続ポートも、USB-Cに移行した。11月8日に販売開始される。
アップル、M4搭載「iMac」発表。AI対応、マウスやキーボードはUSBCに移行
Photograph: Apple

アップルは2021年にiMacを大幅に刷新したが、それ以降はプロセッサーを刷新する以外、大きな変更は実施していなかった。今年もほぼ同じパターンだが、最新のM4搭載「iMac」にはいくつかの歓迎すべき追加機能が含まれている。

2週間前のiPad Mini同様、アップルは2024年モデルのiMacを10月28日(米国時間)、オンラインのNewsroomを通じて発表した。24インチのデスクトップコンピューターは、「M」シリーズの最新プロセッサーである「M4」チップセットを搭載している。ほかのアップルシリコン搭載Mac同様、M4はmacOS Sequoia 15.1で利用可能となったアップルの人工知能(AI)機能、「Apple Intelligence」に対応する(米国英語から対応、日本語は2025年以降に対応予定)。

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ベースモデルの価格は1,299ドル(日本では198,800円)から。M4搭載iMacは前モデルと同じ外観を維持しつつ、新しい色調とUSB-C接続に対応した周辺機器を(ようやく)採用している。主要なアップグレードは内部的なもので、新プロセッサーとApple Intelligence機能をよりスムーズに動作させるためのメモリ増量が含まれる。現在予約受付中で、11月8日に販売開始される。

外観はキープしながらリフレッシュ

iMacのデザインをほとんど変更していない点を非難するのは難しい。なぜなら、そのままでも素晴らしい外観であるためだ。24インチの4.5Kの「Retina」ディスプレイ、解像度1,080pのカメラを搭載している(リフレッシュレートは依然として60Hz)。このほか、6スピーカーサウンドシステムと3つの「スタジオ品質」マイクを備えている。

ポート構成は、モデルによって異なる。ベースモデルでは2つのThunderbolt 4ポートがある。より上位のモデルでは4つのThunderbolt 4ポートが、ギガビットイーサネットポートに加えて搭載される。また、1,200万画素のウェブカメラには、ビデオ通話中に自動的に顔を画面の中央に配置する「Center Stage」機能が追加されている。

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カラーバリエーションはグリーン、イエロー、オレンジ、ピンク、パープル、ブルー、シルバーでこれまでと同じだが、色調がパステルカラーからより濃い色調に変更された。色がマッチする周辺機器も付属する。

マウスとキーボードはUSB-Cに

アップルはついに、マウス、キーボード、トラックパッドの接続ポートをUSB-Cに移行した。ようやくLightningポートを採用する製品リストからこれらを削除できる。注文時には、標準の「Magic Keyboard」かTouch IDモデル、「Magic Mouse」か「Magic Trackpad」を選択できる。なお、Magic Mouseのポートは依然として底面にあるため、充電中は使用できない。

アップルは「Studio Display」や「Pro Display XDR」の高性能ディスプレイにNano-textureガラスのオプションをついに追加した。窓際にコンピューターを置く場合や、グレアを軽減したい場合に最適である。ただし、200ドルの追加料金が必要で、上位モデルのiMacでのみ利用可能となっている。

パワーアップの中身

24インチiMacを動かすのはM4プロセッサーだ。この最新チップは5月に発表されたが、これまではiPad Pro(2024)でのみ利用可能だった。第2世代3nmプロセスで製造され、電力効率と速度を優先している。この新チップにより、iMacは2021年のM1搭載モデルと比較して最大1.7倍の処理速度を実現している。グラフィックス性能は最大2.1倍に向上した。アップルは、旧型のIntel搭載iMacと比べて最大6倍高速だとしている。

M4にも異なるバリエーションが用意されており、高い処理能力が不要な場合は、8コアCPUと8コアGPUを搭載したエントリーレベルモデルを選択できる。より上位には10コアCPUと10コアGPUにアップグレード可能なモデルもある。全モデルで8GBではなく16GBのRAMを標準搭載し、プロセッサーに応じて32GBまでアップグレード可能だ。ストレージ容量は追加料金で最大2TBまでアップグレードできるが、標準は256GBからスタートする。

Photograph: Apple

RAMが増えたことにより、Apple Intelligenceでのよりスムーズな体験が可能になる(これはiPhone 16シリーズでRAMを8GBに増やした理由でもある)。macOS Sequoia 15.1で利用可能となる機能には、作文ツール、刷新されたSiri、メモアプリでの文字起こしのサマリー機能、メッセージアプリでのスマートリプライなどが含まれる。

Apple Intelligenceを中心に据える

Apple IntelligenceはM4専用の機能ではないが、アップルがすべてのハードウェアをアップデートしてApple Intelligenceをオペレーティングシステムの最前線に据えようとしていることは明らかだ。『Bloomberg』のマーク・ガーマンが彼のニュースレター「Power On」で指摘したように、アップルはiMacをM3チップにアップデートするのに3年かかったが、M4バージョンは12カ月で投入してきている。

とはいえ、M3搭載iMacと同様、最新モデルの変更も主にスペックの向上にとどまっている。最近のiMac(例えば2021年モデル)を所有していて、性能向上の必要はないけれどLightningアクセサリーから脱却したい場合、USB-C対応の周辺機器だけを別途購入することが可能だ。

(Originally published on wired.com, translated by Mamiko Nakano)

※『WIRED』によるアップルの関連記事はこちら。


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