3つの「米国最先端ロボット」動画──チータ型、超小型折り紙式、ミバエ捕獲用

ハードルを連続して飛び越せるチーター型ロボット、自らを折りあげてから移動できる超小型折り紙ロボット、小さなミバエを生きたまま捕えるロボットなど、米国で進むユニークなロボット研究3種を動画で紹介。
3つの「米国最先端ロボット」動画──チータ型、超小型折り紙式、ミバエ捕獲用

マサチューセッツ工科大学(MIT)が2014年9月に公開したチーター型ロボット(日本語版記事)はもともと、ワイヤー接続や安全装具なしでも、野外を元気に走り回り、信じられないほどの速度を出せる。だが今回は、連続するハードルを楽々と自律的に飛び越すことに成功した。

MITによるとこれは、複雑な作業を完全に自律して実行できる初めての4脚ロボットで、ランダムな距離に置かれた高さ40cmのハードルを連続して飛び越えながら、高速で移動できるという。研究者らは、安全装具なしでチーター型ロボットにハードルを飛び越えさせることもできると確信していた。

自分を組み立てる超小型の折り紙ロボット

MITなどの研究チームが開発した超小型の折り紙ロボットは、自らを折りあげて走り出すことができる。

ポリ塩化ヴィニール(PVC)の薄いシートとマグネットからつくられたこのロボットは、磁場によって動き、水の上を走ることも可能だ。

物を拾ったり届けたり、自分の重量と比べて2倍重い荷物を運んだり、障害物の山のなかを通り抜けたりできる。将来的には、人体内部で働かせることも可能だ。動画の最後では、アセトン液の中で分解されていく。

動き回るミバエを生きたまま捕えるロボット

ミバエは、そばかすよりも小さいが、科学研究では極めて重要な役割を果たす。小さくてすぐに逃げるので、これまではつかむのが難しかった。スタンフォード大学の生物学者とロボット工学者のチームは、動き回るミバエの胸部をつかんで生きたまま捕まえられるロボットを開発した。

急閃光とすばやい動きで、ロボットの吸込管がミバエを捕らえる。この画期的な技術により、生物学者たちは、ミバエの年齢や性別の判断など、日常の観察をもっと速く行えるようになる。また、このロボットは非常に正確なので、ミバエの微小な脳の手術も実行できる。

TEXT BY JAMES TEMPERTON

TRANSLATION BY MINORI YAGURA, HIROKO GOHARA/GALILEO