iPadで読んでみた「日本のマンガ」

『週刊少年ジャンプ』等、日本のマンガを米国で出版している米VIZ Media社によるiPadアプリを試してみた。
iPadで読んでみた「日本のマンガ」

Image:Viz Media App

私はこれまでデジタル・コミックについては懐疑的だった。それはちょうどデジタル書籍について懐疑的だったのと同じ理由だ。私は紙の感触や、本を手に持つことが好きなのだ。コミックについては絵を細かいところまでじっくり見ることも好きであり、デジタル書籍でそれが可能なのかどうかと思っていた。

なので、『iPad』でマンガを読む体験が、紙のマンガ本よりもすぐれているということがわかったときにはショックを受けた。米VIZ Media社[英語版『週刊少年ジャンプ』等を出版している]が専用アプリをプリインストールした『iPad』をテスト用に送ってくれたとき、『Kindle』を初めて使ったときと同様、筆者はたちまちその魅力に引き込まれてしまったのだ。

デジタルでマンガを読むことの利点はいくつかある。

1: iPadの画面は、[現在米国で出版されている]多くのマンガ・ダイジェスト本のページより大きい。つまり、絵がよりきれいに表示されるということだ。

2: iPadでは、目に留まったものは何でも拡大して見ることができる。解像度を変えたときに画像がぼやけてしまうこともなく、シャープなまま画質を向上させてくれる。

3: すぐに手に入る無料コンテンツが用意されている。これらは、読者をデジタル・コミックの世界に誘おうとVIZ Media社が提供しているものだ

[VIZ Media社のiPadアプリで読める日本のマンガについて、具体的にリストアップしている日本語版記事はこちら]

私は現在、子ども待たせなければいけないようなときに『iPhone』を使って時間をもたせている。iPadを持っていれば、絶対にこのアプリをダウンロードして、ストアにある無料コンテンツにアクセスすることだろう。その中には『ドラゴンボール』や『呪法解禁!!ハイド&クローサー』、『NARUTO』、『ONE PIECE』、さらにデジタル版『週刊少年ジャンプ』の英語版である『WEEKLY SHONEN JUMP ALPHA』のプレビューといったタイトルが含まれている。ひとつダウンロードすれば、20分くらいは楽しめるはずだ。

問題は、iPadは子どもの手には重くて持ちにくいということと、iPadが1台しかない場合に取り合いになることだ。

私は、DC Comics社やMarvel Comics社のような米国のコミック出版会社が出す、通常サイズの月刊誌がiPadでどう見えるかについては、まだ疑問だと思っている。iPadの画面サイズが実際のコミック雑誌より小さいからだ。けれども、VIZ Media社のアプリを使った経験から、私は自分で思っていた以上に、デジタル・コミックに心を強く奪われている。

Kindleの体験でも最初は懐疑的だったが、いまではより多くのデジタル書籍を購入し、Kindleで読むようになった。コンテンツが簡単に買えることに加えて、家の中を本だらけにせずにすむというメリットが、コミックにも当てはまる可能性がある。例えば私は、DC Comics社が提供する無料のプレビュー版を見たことがあるし、Marvel Comics社もたくさんの作品を無料で閲覧できるようにしている。

デジタル書籍は、本の山を作らなくて済む利点があるいっぽうで、適切なバックアップを講じない場合、iPadに何かあったらライブラリ全体が失われてしまう恐れもある。私は大事な本についてはデジタル版だけでなく紙の書籍も購入することがあるが、コミックについてもそうなるかもしれない。

[以下の動画は、Geekcal TVによるアプリのレビュー]

TEXT BY Corrina Lawson
TRANSLATION BY ガリレオ -藤原聡美

WIRED NEWS 原文(English)