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カプコン、「営業利益率4割」を支えるデータ経営 辻本社長「うちの経営戦略会議は数字がすべて」

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デジタル販売の強化により、超高収益体質を実現したカプコン。改革を主導した辻本春弘社長は、データ活用で同社の経営が変わったと明かす。

日系ゲームメーカー屈指の営業利益率を誇るカプコン。辻本社長によると、同社の経営戦略会議での説明はエクセルが中心で、パワーポイントは数枚程度しか出てこないという(撮影:梅谷秀司)

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新作がヒットするか否かによって、業績が上下しやすいとされるゲーム業界。近年は開発が大型化する一方で、期待した収益の回収が見込めず損失を計上するケースも相次ぎ、業績の変動リスクは高まっている。
そうした中、「バイオハザード」「モンスターハンター」などを手がけるカプコンは、2024年3月期まで11期連続の営業増益を達成。直近4年間の営業利益率は30%台後半~40%台に達し、業界きっての超高収益体質を維持する。
採算のよい旧作をデジタル販売で長く売り続けることに注力し、新作に大きく左右されない収益構造を築き上げてきたカプコン。改革を進めた背景、開発費が高騰する中で今後も成長を続けていくための戦略について、辻本春弘社長に聞いた。

あらゆるデータを全部取っていった

――2010年代半ばから、オンライン上でゲームをダウンロードしてもらうデジタル販売を強化してきました。どのような問題意識があったのでしょうか。

1つのタイトルをいかに広く長く売るかということに興味を持って取り組み始めたのが、2017年に発売した「バイオハザード7 レジデント イービル」から。従来はリテーラーが1年くらい店頭に並べてくれていたが、デジタルなら自分たちで売れる状況になるわけで、「いったいいつまで売れるんかな」と。

それまでは店舗でパッケージを売ってもらうビジネスモデルで、お願いしているリテーラーの方々は、店の棚を回転させて効率を上げるために、新作を短期間で売っていく必要がある。ゲームが浮き沈みの大きいビジネスだと言われ続けた根底には、そうした(リテーラーに依存した)商慣習があった。

それがプレイステーション4の時代から、ハードの機能をフルで活用するためにインターネットに常時接続するようになるという話を聞いた。書籍や音楽などほかの産業がデジタルによって効率のよいビジネスに切り替わっていく中で、ゲーム業界でもやっと既存ビジネスが180度変わるということを感じ取り、それを意識してゲームの開発や(デジタル販売、マーケティングなどの)準備を進めてきた。「世の中の時流に乗っかっていかんかったら、会社が潰れる」という思いもあった。

バイオ7は、昔のパッケージ販売のみの時代だったら、初動中心に200万本強くらいしか売れなかったはずだ。デジタル販売によって売り上げが落ちた段階でセールを入れるなどして、発売した期の販売本数は350万本を記録した。発売から7年経っても世界で売れている(2024年3月期の年間販売本数は130万本)。

――当時から、7年売れ続けるという確信があったのでしょうか。

いや、それはわからない。でも、「いつまで売れるか楽しみだな」と言いながら、データを全部取っていったわけです。

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