キヤノンは2008年9月17日,インクジェット・プリンター「PIXUS」シリーズの7機種を発表した。スキャナーなどを一体化した複合機が5機種,プリンター単体が2機種。いずれも同年10月上旬に出荷を開始する。
新機種開発に当たり,「インクやデザイン,紙などすべてを一新した」(キヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長の村瀬治男氏)。インクはいずれも新たに開発した染料インクを採用し,純正の写真用紙と組み合わせるとアルバム保存で300年以上保てるという「ChromaLife 100+」に対応している。プリント・ヘッドは同社の「FINE(Full-photolithography Inkjet Nozzle Engineering)」技術を採用し,液滴は最小1pl(ピコリットル)で,解像度は9600×2400dpi。複合機では顔検出とシーン解析によって自動的に補正する「自動写真補正」も盛り込んだ。例えば赤目の写真などを自動的に補正する。
最上位に当たる「MP980」は,イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック,グレーの染料インクに黒の顔料インクを加えた6色のインクを使う。吐出するインク滴の大きさを1pl,2pl,5plの3種を使い分けることで,高速印刷を実現したという。例えばL判のフチなし写真印刷を約17秒で印刷できるという。無線LAN機能を搭載し,複数パソコンを接続した印刷サーバーとしても動作する。
最も出荷量が多いと見込む「MP630」は,4色の染料インクと黒の顔料インクを使用。MP980と同じようにインク滴の大きさを使い分けて高速印刷を可能にした。
価格はいずれもオープン。想定実売価格は,MP980が3万7000円,MP630が2万8000円。無線LAN機能を搭載した「MP620」が3万円,「MP540」が2万3000円,「MP480」が1万5000円。単機能機は「iP4600」が1万6000円,「iP3600」が1万4000円となっている。