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 10月17日、「いま成田空港で何が起きているのか」プロジェクトは、21日の羽田空港D滑走路の供用を前にして11・3「羽田空港見学ツアー」の事前企画として「羽田空港の拡張がもたらすもの」というテーマで学習会を行った(文京シビックセンター)。

 D滑走路供用開始を前に「空港ビックバンの始まり」「羽田と17都市と結ばれ32年ぶりに国際化」などとマスコミは賛美報道しているが、騒音領域拡大と環境破壊、過密運航による航空機事故の危険性などをまったく取り上げようとしない。つまり国交省成長戦略会議航空分野報告を財界とともに全面的に支持しバックアップしていくということなのだ。国交省航空政策は、羽田・成田空港の一体的運用、両空港を合わせて発着回数を現在の約52万回から約75万回への増加を柱としている。そもそも羽田・成田一体的運用によるハブ空港化は、金儲け主義を優先し、大量生産・大量消費・大量廃棄型の航空運航政策の強化である。新自由主義的航空政策ではなく、厳格な規制強化・管理・統制を強めていくことが求められている。    

 講師は、東京大田区で羽田空港問題を長年粘り強く取り組んでいる羽田空港を監視する会の大道寺毅さん。会は、D滑走路供用を前にして「住民・労働者の犠牲、次第にはっきり」(『おおたジャーナル10月号』)と告発している。また、自民党区議などの「国際化歓迎を区の方針とした以上住民はがまんすべきだ」などという暴言まで飛び出ていることを紹介し、羽田国際化利権に飛びつく流れをストップさせようと呼
びかけている。

羽田空港公害の数々

 大道寺さんは、冒頭、D滑走路供用の被害の一つとして10月13日の成田四者協議会(成田空港周辺9市町、千葉県、国土交通省、成田国際空港会社)によって空港の年間発着枠30万回に拡大する合意を強引に決めてしまったことだと批判した。無限な航空大量運航の危険性が進行中であることを注意喚起した~そのうえで報告の第1として「空港問題の歴史的経過」を提起。

 「1959年9月にジェット機就航開始以降、空港周辺の騒音公害が広がっていった。60年に爆音防止協議会が結成され、73年には大田区議会で『空港撤去決議』さえも採択するほど深刻な環境悪化に追い込まれていた。しかし90年代の経済不況、産業の空洞化によって中小企業、住民は空港開発依存へと傾斜していかざるをえなくなった。当時の運輸省をはじめ利権に群がる連中によって『カネとウソ』を駆使して空港を拡
大していった」ことを明らかにした。

 第2は「羽田空港の立地の特性」について報告し、「空港は、東京湾多摩川河口という特殊な場所に位置する。湾岸全域の環境保全機能に重要な役割をもつものだが同時に生態的な脆弱性がある。産業と人口密集地域が直近に存在しているにもかかわらず過密運航を拡大しようとしている。それはあえて過密を便益・効率と読み替える論理を使いながら住民生活、安全、生態系へのしわ寄せを強めていることなのだ」と批判した。

 さらに資料・図を使いながら生活環境破壊実態、東京港航路問題、過密空域、生態系破壊、経済効果と航空需要、杜撰な環境アセス、空港跡地の大田区購入問題などを取り上げ分析した。

 「推進派は、空港公害が拡大しているにもかかわらず『第五滑走路が必要』などコマーシャルをし始めている。反空港の取り組みがますます強化されなければならない」 と結論づけた。

 討論では、飛行コースと騒音被害の現状、ゴーアラウンド(着陸復航)の原因と実態、反対運動の歴史的経緯、防音工事状況、空港開発と「シャッター通り」問題などについて取り上げられた。

 最後に成田プロジェクトから11・3羽田空港見学バスツアーへの参加、成田空港の「人権・生存権を侵害する航空機騒音をただちに止めるべきです」声明(案)への賛同が呼びかけられた。

(Y)

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武力で平和はつくれない----もう一つの日米関係へ
やめさせようアフガン戦争、なくそう普天間基地、つくらせない辺野古新基地
国際共同行動

 十月十七日、東京・芝公園23号地で「武力で平和はつくれない--もう一つの日米関係へ やめさせようアフガン戦争、なくそう普天間基地、つくらせない辺野古新基地」国際共同行動が10月「ピースウィーク」2010・東京実行委員会主催で開かれ、六百人が参加した。

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 米国らによるアフガン攻撃開始から九年目になる今年十月、米国のUNITED for PEACE and JUSTICEなどの平和運動ネットワークの世界的反戦の呼びかけに応えて、十月九日~十七日まで「ピースウィーク」として、米国の平和集会への参加や沖縄普天間基地撤去の街頭シール投票などさまざまな企画を行った。集会はその一貫として企画された。

 オープニングに「月桃の花」歌舞団がエイサーを披露し、主催者あいさつをピースボートの野平さんが行った。

 「本日の集会は武力で平和はつくれないことを確認し、発信していきたい。アフガン戦争では、いったんやめた兵士に武器を与えている。イラクでは戦争の終結をうたっているが、戦争を民間組織に委託して継続しようとしている。さらに、尖閣諸島問題では、日米同盟の範囲が及ぶところだと日米政府はしているが、中国では反日デモが再び起こっている。普天間基地の閉鎖、辺野古に新基地を作らない。日米安保ではなく、友好的な日米関係を築いていくことが重要だ」。

 「本日の行動は国際同時行動として世界十カ国で取り組まれ、日本国では福岡、岡山、藤枝(静岡県)で集会が行われている。国際的な反戦集会の意義を確認しよう。そして十五カ所で辺野古新基地賛成か反対かでシール投票を行った。その結果、賛成四百十七、反対三千、分からない七百三十八だった。七割以上が
反対であった。沖縄の闘いに連帯していこう」。

 次にスピーチに移った。最初に、星川淳さん(グリーンピース・ジャパン事務局長)が「日本では武力で平和はつくれないというのが常識だ。それは先の戦争で国と国との対立を力で解決することができないことを学んだからだ。それを過去の歴史に戻そう、戻そうという政治などの動きがある。われわれは人類共通の利益で、戦争を繰り返さない、地球全体をどうしたらよくすることができるのか、次を示していかなければならない」と語った。

 長谷部貴俊さん(JVCアフガニスタン現地代表)が、アフガン現地情勢を報告した(別掲)。続いて、エミリー・マグローンさん。エミリーさんは、今年一月、US for OKINAWAを立ち上げ、沖縄米軍基地の縮小と撤廃を求め、日本人とともに活動する在日外国人のネットワークとして活動している。

 「イラク、アフガン戦争に最初から反対していたが、その戦争で使われる外国の基地がどのようになっているのかを知らなかった。沖縄の二〇%が米軍基地であることを知って、普天間、嘉手納基地を訪れた。アメリカでは都市の近くには基地は存在しない。沖縄の住民の被害を知って愕然としたことは一生忘れえない。普天間基地は返還すべきで、土地は住民に返すべきだ」。

 「辺野古の海は生物が密集していて、沖縄にしかいない生物がたくさんいる。希少生物のジュゴンが生息している。環境破壊など人間の安全保障への脅威が増えている。軍事基地は自然を破壊し、環境にやさしい資金を使いつくしている」。

 「伊波さんの県知事選での勝利をかちとろう。そして、軍事基地を自然保護センターにしよう」。

 福島みずほ社民党党首が「防衛相が武器輸出三原則の見直しを言い出している。菅首相は一応、三原則堅持を言っているが、年内に防衛大綱を出すとしている。そこでこの三原則を骨抜きにする内容が含まれるかもしれない。きわめて重要な課題だ。そして山口県の上関原発阻止行動が重大な局面に入っている。武器と原発輸出を景気浮揚の目玉としようとしている。こんな政策をやめさせよう。最後に、沖縄県知事選で伊波さんの勝利を」と訴えた。

 次に、米国ピークアクションからの連帯メッセージの紹介と米大使館への申し入れ声明が読み上げられ確認された。パレードは芝公園からアメリカ大使館のある虎ノ門を通り、六本木まで行われた。

(M)

JVC長谷部貴俊さんの報告から
 私たちがいるジャララバードでも事務所のすぐ近くでも爆撃音がするように
なった。状況は悪くなっている。この一年で民間人が二千四百人亡くなってい
る。例えば、米兵が夜中に来て、十代の男の子どもを外に出して射殺した。ゲリ
ラでも何でもない人たちがこんな目にあっている話をたくさん聞いている。オバ
マ大統領はこれからも米軍の増派をしようとしている。
 現地の人はずーっと戦っている。もう戦争はこりごりだと言っている。暮らし
もたいへんだ。医療や教育も崩壊している。だから私たちは支援活動をしてい
る。子ども貧血や女性も病気に罹っている。五歳以下の五人に一人が死んでい
る。それも下痢などの単純な病気だ。
 何をしたらよいのだろうか。日本は米国との関係が大切だとインド洋給油など
米軍の支援を行っていた。しかし、アフガンで何が起きているのか知らない。今
後、日本が行うべきことは第一に、タリバンとの和解の仲介をすることだ。日本
は加害者であるが陸上に軍隊を派遣していないので、良いイメージをもたれてい
るからだ。タリバンがカブールにきて、アフガン政府との対話が始まっている。
 第二に、人々の暮らしを支援すること。その支援は軍事と政治にリンクしてい
ないことが重要だ。普天間基地移転問題で明らかにように、米政府一辺倒で軍事
同盟ではなくて、人々の信頼を勝ち取る援助だ。(文責編集部)

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