2021-06-18(Fri)

「指示が通らない」という言葉

ある認知症グループホームのケアマネージャーから話を聞く機会があった。
だれもが耳にしたことのある大手が経営する施設である。

そのベテランのケアマネは、認知症患者の状態を説明するのに、「指示が通らない」と言うのである。

おそらく、業界用語で何の気なしに普通に使っているのだろう。
しかし、聞いているこちらは背筋がヒヤッとする思いだ。
ボタンを押したり、プログラムを走らせたりするのと、同じ扱いなんだなあ と。

言ったたことが理解できていない様子 とか お願いしたことが伝わらない ならわかる。
「通る」というのは、電線の上の話だろう。
しかも、「指示」、コマンドなんだ。。。

なるほど、認知症グループホームというのは、特養を増やかわりに、予算をけちって作った制度だから、現場が大変なのはわかる。
この国の福祉の貧しさが、現場にしわ寄せされているのは、容易に想像はできる。
福祉に金をドカンと使って、介護職の給料を5割くらいアップさせれば、現場の介護職はもっと時間も心も余裕をもつことができるだろう。
本当に悪いのは、それをやらない、この国のドケチ政治だ。

しかしそれでも、「指示が通らない」という目で見られている認知症の老人が、どんな扱いを受けているのか、どうにも心配でならない。


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No title

梶川・新しいモノの見方(vision)は論理的に生まれない。優れたビジョンには先験性と幻影とが錯綜しているが、モデリングには稀にビジョンよりも先行するリアリティが内在する。
リアリティは言葉によってのみ物質化できる。言葉は最初のフィードバックプロセスを生成し、更なるモノの見方に連続していく。

認知症ということは理性が働いていないから動物みたいなもので、言葉を理解できない。そして言葉が理解出来ないのなら、普通のやり方は通用しないだろう。
確かに人権は尊重されるべきだとは思うが、扱いが少々雑になるのは仕方がないと私は思う。
私自身はこうはなりたくないので、こうなるのならば安楽死を希望する。
それが日本人の散り際の美学であり、若い世代へのせめてもの礼儀であろう

No title

高校(大阪)の生活指導でも「指導が通る・通らない」という使い方をするそうです。

No title

高校で講師をやっている者ですが、そのベテラン・ケアマネのメンタリティはわかる気がします。ある種感覚が麻痺してしまうのです。
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