2019-07-26(Fri)
国民民主・玉木代表の「安倍総理 憲法改正の議論やりましょう」発言について
昨日、国民民主の玉木さんが、ネトウヨ系のyoutubeチャンネルに出演して、こんな発言をしたと、話題になっています。
国民民主党・玉木雄一郎代表「憲法改正議論を進める」と発言 「私ね、生まれ変わりました」
2019年07月26日 ハフィントンポスト
おまけに、「モリカケを国会でやり過ぎた」なんて言うもんだから、猛烈な批判を浴びています。
もとの動画はこちらです
→ 文化人放送局【緊急特番】吠えろ!玉木雄一郎!! Part2
非常に重要な問題ですから、批判をするならば切り取りではなくホンちゃんを見ておくべきです。
■
いくつかの論点があると思います。
まずは、そもそも改憲の議論なんてするべきなのかどうか という原則論です。
これについては はしょります。
どんな良い憲法であろうが、条文を変えることを議論できないとすれば、それは独裁国家です。
非常に変えにくく作られた硬性憲法であることは間違いありませんが、それでも96条があるわけですから、何が何でも改憲の議論もダメというのは、憲法違反と言うことになってしまいます。
ただし、「議論」と「審議」は、まったく別物だということです。
議論は誰にも止めることはできませんが、安倍内閣の下での審議はニアリーイコール強行採決ですから、審議に入ったらもう安倍官邸の軍門に降ったも同然です。
そこはハッキリさせておかなければなりません。
ちなみに、最近の国会で、審議拒否で撤退抗戦すべきなのにしなかったのは、国民民主にも責任はありますが、むしろ(玉木氏の発言を批判している)立憲民主党だったということも、ついでにおぼえておきましょう。
イザとなったら頼りにならないのは、ハッキリ言ってどっちも大差ありません。
■
ふたつ目の論点は、この動画で玉木氏が実際に言っている内容です。
これは注意深く聞けば、これまでの玉木氏や国民民主の主張と違うことや踏み込んだことは言っていません。
改憲の議論に乗るということについても、以前から国民投票法の議論はすると言っていたはずです。
(それが良いかどうかは別として、目新しいことは、実は無いといことです)
「モリカケをやりすぎた」という点についても、それ自体は許せない発言ですが、よく考えると れいわ新選組の公約にも「森友」「加計」はひと言も出てきません。つまり、政権をとるためには何を訴えるべきか、を考えたときに、残念ながら「モリカケ」の優先順位は低くなってしまう という認識では、太郎さんも玉木さんも同様だということです。
これは「モリカケ」という国家の私物化が重要ではない ということでは決してありません。
公文書改ざんと同様、国家の根幹を揺るがす問題です。
ただし、選挙を考えたときに、何を優先すべきかという観点では、非常に残念ながら現状ではメインにならない、ということです。
そうやって注意深く見ていくと、玉木氏はかなり作戦を練ってこの番組に出ていることが見えてきます。
つまり、「ネトウヨ」に訴えることを、かなり真剣に考えているのだと思われます。
これまでと同じ内容でも、わざとリベラルからは大批判を浴びるような言い方=ネトウヨが大喜びするような言い方をして、玉木氏の主張を言い換えているのです。
その結果、国民民主をどこへ持っていこうとしているのかは、まだ見えませんが、意図的にネトウヨの引きはがしを狙っているのは、おそらく間違いないと思います。
個人的には、ネトウヨを狙いに行くというのは、安富歩さんのいう「立場主義」をのり超える面白さを感じますね。
れいわ新選組が投票に行かない4000万にアプローチしたように、国民民主はネトウヨに語りかける。本来の右翼の論理、日本は独立すべしと言う論点でネトウヨにアプローチするのは、立場主義のリベラルさんからみたら裏切り者という扱いでしょうけど、私は面白いと思います。これはれいわ新選組にもできないし、玉木氏ならではだな と感じます。
ミイラ取りがミイラになる可能性もありますけど、このリスキーなチャレンジをはじめから罵倒するのではなく、今は注目したいなと思っています。
■
ほっといても国民民主が、草刈り場になるのは間違いないということも、論点として見ておく必要があります。
参院の2/3を獲得できなかった安倍官邸は、国民民主の議員に猛烈なアタックをかけているのは間違いありません。
それに対して各個撃破するだけの力量は、国民民主にも玉木氏にもないでしょう。
唯一の手は、一本釣りしなくても 国民民主は改憲に乗りますよ。2/3超えますよ と呼びかけることです。
玉木氏が、このままズルズルと審議に応じて自民党案での改憲発議に(反対はしつつも)しっかり協力することになるのか、一本釣りをさせないまま水際で審議拒否に転じることができるのか、これは今の段階では何とも言えません。
リベラル諸氏のように、「裏切るに決まってる!」と決めつける根拠も、「最後は反対貫く」と言い切る根拠も、今のところありません。
玉木氏のこの放送での発言は確信犯なので、リベラルからは非難ゴウゴウになるのはわかっているはずです。
なので、私もリベラルさんが「裏切りもの-」と決めつけるのは放っておこうと思います。
問題は、ここから先、党首討論や国民投票法の審議はやっても、改憲案の審議は拒否するかどうか。
それと、遠くない将来にある衆議院選に向けて、どのような政権獲得の作戦を提示するか。
を注視したいと思います。
とにかく、今の時点では 玉木さんの作戦はなんとなく理解できるし面白いと思う。でも この先裏切るか裏切らないかは、わからない。というのが私の見方です。
■
玉木氏がこのように ネトウヨ獲得に梶を切ったのは、あきらかにれいわ新選組の躍進の影響でしょう。
れいわ新選組に集まってくる生身の民衆を見て、自分たちの立場でアプローチすべきは誰なのか 考えたのだと思います。
れいわ新選組が躍進することで、野党全体も変わります。
幅が広がり、本気度が増していき、それが十分に熱を持てば政権交代に向けた本気の共闘が実現するかもしれません。
逆に、れいわ新選組に食われると危機感を強めて暴走する危険性もなくはないです。
それでも、これまで7年間の長く暗いトンネルを脱するわずかな光が見えたのです。
私は、この道を進んでみたいと思っています。
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国民民主党・玉木雄一郎代表「憲法改正議論を進める」と発言 「私ね、生まれ変わりました」
2019年07月26日 ハフィントンポスト
おまけに、「モリカケを国会でやり過ぎた」なんて言うもんだから、猛烈な批判を浴びています。
もとの動画はこちらです
→ 文化人放送局【緊急特番】吠えろ!玉木雄一郎!! Part2
非常に重要な問題ですから、批判をするならば切り取りではなくホンちゃんを見ておくべきです。
■
いくつかの論点があると思います。
まずは、そもそも改憲の議論なんてするべきなのかどうか という原則論です。
これについては はしょります。
どんな良い憲法であろうが、条文を変えることを議論できないとすれば、それは独裁国家です。
非常に変えにくく作られた硬性憲法であることは間違いありませんが、それでも96条があるわけですから、何が何でも改憲の議論もダメというのは、憲法違反と言うことになってしまいます。
ただし、「議論」と「審議」は、まったく別物だということです。
議論は誰にも止めることはできませんが、安倍内閣の下での審議はニアリーイコール強行採決ですから、審議に入ったらもう安倍官邸の軍門に降ったも同然です。
そこはハッキリさせておかなければなりません。
ちなみに、最近の国会で、審議拒否で撤退抗戦すべきなのにしなかったのは、国民民主にも責任はありますが、むしろ(玉木氏の発言を批判している)立憲民主党だったということも、ついでにおぼえておきましょう。
イザとなったら頼りにならないのは、ハッキリ言ってどっちも大差ありません。
■
ふたつ目の論点は、この動画で玉木氏が実際に言っている内容です。
これは注意深く聞けば、これまでの玉木氏や国民民主の主張と違うことや踏み込んだことは言っていません。
改憲の議論に乗るということについても、以前から国民投票法の議論はすると言っていたはずです。
(それが良いかどうかは別として、目新しいことは、実は無いといことです)
「モリカケをやりすぎた」という点についても、それ自体は許せない発言ですが、よく考えると れいわ新選組の公約にも「森友」「加計」はひと言も出てきません。つまり、政権をとるためには何を訴えるべきか、を考えたときに、残念ながら「モリカケ」の優先順位は低くなってしまう という認識では、太郎さんも玉木さんも同様だということです。
これは「モリカケ」という国家の私物化が重要ではない ということでは決してありません。
公文書改ざんと同様、国家の根幹を揺るがす問題です。
ただし、選挙を考えたときに、何を優先すべきかという観点では、非常に残念ながら現状ではメインにならない、ということです。
そうやって注意深く見ていくと、玉木氏はかなり作戦を練ってこの番組に出ていることが見えてきます。
つまり、「ネトウヨ」に訴えることを、かなり真剣に考えているのだと思われます。
これまでと同じ内容でも、わざとリベラルからは大批判を浴びるような言い方=ネトウヨが大喜びするような言い方をして、玉木氏の主張を言い換えているのです。
その結果、国民民主をどこへ持っていこうとしているのかは、まだ見えませんが、意図的にネトウヨの引きはがしを狙っているのは、おそらく間違いないと思います。
個人的には、ネトウヨを狙いに行くというのは、安富歩さんのいう「立場主義」をのり超える面白さを感じますね。
れいわ新選組が投票に行かない4000万にアプローチしたように、国民民主はネトウヨに語りかける。本来の右翼の論理、日本は独立すべしと言う論点でネトウヨにアプローチするのは、立場主義のリベラルさんからみたら裏切り者という扱いでしょうけど、私は面白いと思います。これはれいわ新選組にもできないし、玉木氏ならではだな と感じます。
ミイラ取りがミイラになる可能性もありますけど、このリスキーなチャレンジをはじめから罵倒するのではなく、今は注目したいなと思っています。
■
ほっといても国民民主が、草刈り場になるのは間違いないということも、論点として見ておく必要があります。
参院の2/3を獲得できなかった安倍官邸は、国民民主の議員に猛烈なアタックをかけているのは間違いありません。
それに対して各個撃破するだけの力量は、国民民主にも玉木氏にもないでしょう。
唯一の手は、一本釣りしなくても 国民民主は改憲に乗りますよ。2/3超えますよ と呼びかけることです。
玉木氏が、このままズルズルと審議に応じて自民党案での改憲発議に(反対はしつつも)しっかり協力することになるのか、一本釣りをさせないまま水際で審議拒否に転じることができるのか、これは今の段階では何とも言えません。
リベラル諸氏のように、「裏切るに決まってる!」と決めつける根拠も、「最後は反対貫く」と言い切る根拠も、今のところありません。
玉木氏のこの放送での発言は確信犯なので、リベラルからは非難ゴウゴウになるのはわかっているはずです。
なので、私もリベラルさんが「裏切りもの-」と決めつけるのは放っておこうと思います。
問題は、ここから先、党首討論や国民投票法の審議はやっても、改憲案の審議は拒否するかどうか。
それと、遠くない将来にある衆議院選に向けて、どのような政権獲得の作戦を提示するか。
を注視したいと思います。
とにかく、今の時点では 玉木さんの作戦はなんとなく理解できるし面白いと思う。でも この先裏切るか裏切らないかは、わからない。というのが私の見方です。
■
玉木氏がこのように ネトウヨ獲得に梶を切ったのは、あきらかにれいわ新選組の躍進の影響でしょう。
れいわ新選組に集まってくる生身の民衆を見て、自分たちの立場でアプローチすべきは誰なのか 考えたのだと思います。
れいわ新選組が躍進することで、野党全体も変わります。
幅が広がり、本気度が増していき、それが十分に熱を持てば政権交代に向けた本気の共闘が実現するかもしれません。
逆に、れいわ新選組に食われると危機感を強めて暴走する危険性もなくはないです。
それでも、これまで7年間の長く暗いトンネルを脱するわずかな光が見えたのです。
私は、この道を進んでみたいと思っています。
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