ミニ特集:科学史と科学を語る本 日本 その1
『理系白書 この国を静かに支える人たち』
『サイエンス・ウォーズ』
『甦るダーウィン 進化論という物語り』
『講座進化 第2巻 進化思想と社会』
『理系白書 この国を静かに支える人たち』
毎日新聞科学環境部 講談社文庫
●学術会議任命拒否問題より前のゼロ年代当時の記述の書。
ということで、本書の内容自体が科学史の一局面になりつつある。
歴史的な発見には、偶然が味方していることが確かに多い。失敗や意外な結果に目をつけ、大きな獲物にたどりつく。こんな能力を「セレンディピティー」という。
突然ですが、講談社文庫の隠れた名著をご紹介。『理系白書 この国を静かに支える人たち』は、理系の学生さんや社会人の方々に人気のロングセラー。実はこの本、今日の「ブランチ」にも『ジェノサイド』の参考図書としてチラッと映っていたんです。研人くんの科学者スピリットに感動したあなたはぜひ。
— 講談社文庫 (@kodanshabunko) 2011, 9月 24
新刊ではないが、『理系白書/この国を静かに支える人たち』(毎日新聞科学環境部/講談社)という本は面白い。純粋文系人間からすると、貴重なヒントが満載なり。
— 池冨 仁/編集・雑誌記者 (@Hitoshi_Iketomi) 2011, 3月 23
『サイエンス・ウォーズ』
金森修 東京大学出版会
●科学の世界?に激震?をもたらしたソーカル事件。いまやなつかしの『サイエンス・ウォーズ』を、今の世代が読み解く意味は(もしくは読み解く能力は)果たして。
ともあれ、十数年後に新装版が出たのです。
初心者にはおすすめしません。かなり濃い話です。
ポストモダン陣営にはいくつかの深刻な問題があるからだ。その強烈な内輪意識、蒙昧主義的語彙の頻用、自分たちが知的エリートだという印象をただ与えるだけのためになされるかのような、最新流行の飽くなき追求。一度として「本質主義」という言葉の明示的定義は与えられたことはないとはいえ、とにかく本質主義を批判するというスタンス。自分たちの仕事を革新的、転覆的、侵犯的と呼ぶのが共通実践になっていることなどなど。
ソーカルのような尋常とはいえない手法をとるのでもない限り、まともな議論は始まりようがなかったのだ。
ポストモダニズムはただ口先で批判するだけだ。何か肯定的なものの見方を提示するよりも批判する方が簡単なのだから、無理もない。ポストモダニズムは私たちが本当に直面している大きな問題、例えば環境問題や社会的災禍などと対決するためにはいまやかえって障碍になっている。
『甦るダーウィン 進化論という物語り』
小川真里子 岩波書店
「種の起源」は約1000回もの一人称語りをもって登場したが、ダーウィンは第五版で大幅に一人称を削除して受動態へ書き換え、特定の人間の見解として受け取られないような配慮を施した。
歴史的に見れば『情動の表出』はデカルト以来主張されてきた動物機械論に対する明確な反論であり、動物心理学の誕生を告げる書物だと言っても過言でない。
@Nazri_KK 小川真里子『蘇るダーウィン』、パトリック・トール『ダーウィン』あたりが、読みやすくて手頃でダーウィン入門としては良いかと思います。
— 佐倉統 (@sakura_osamu) 2013, 8月 5
『講座進化 第2巻 進化思想と社会』
柴谷篤弘, 養老孟司, 長野敬 編 東京大学出版会
村上陽一郎 ”scienceという単語が作られたのは19世紀末。知識を金に変え、あるいはそれを応用して金を儲ける、などということは、知識を愛するがゆえに知識を求める当時の知識人にとって、ありうべからざることであった。”
村上陽一郎 ”特定の進化論を背景にもたない「進化」の概念はほとんど無意味である。意味論的な観点からして、進化論と関わりをもたない進化は、将棋のルールとは無関係に投げ出されているひとつの将棋の駒のようなものである。”
『わたしたちはなぜ科学にだまされるのか』
『ミニ特集:科学をめぐる科学の本 海外』
『ミニ特集:科学史・科学の科学の本 海外 その2』
『ミニ特集:科学史・科学の科学の本 海外 その1』
『ミニ特集:科学史と科学を語る本 日本 その3』
『ミニ特集:科学史と科学を語る本 日本 その2』
『ミニ特集:日本の科学はどこへ行く その2』
『ミニ特集:日本の科学はどこへ行く その1』
『ミニ特集:科学の性質を語る本 その2』
『ミニ特集:科学の性質を語る本 その1』
『ミニ特集:科学技術の本 ST』
『科学の講演やシンポジウムに行って凄かった事例いろいろ』
『パグウォッシュの憂鬱:日本物理学会講演会』