ポール・サイモン/Bookends/Old friends

昨年の当ブログ1月15日に、「冬の散歩道/サイモンとガーファンクル」という記事を書いておりまして、他にも書いたことがあるのですが、また彼のこと、そのアルバムBOOKENDSの中の曲のことに、ちょっと触れたくなりまして。                               今日、見たいものがあって行った図書館。その書棚とは別な、展示されている様子の本の並びに、ポール・サイモンのものがありまして、開いてみると英語版の彼の歌詞集。というより、詩のアンソロジーと言ったほうが良いのかな。優れた詩人としての彼の作品が、まとめられているものであるわけですから。たまたま、最初にひらいたページにあったのが、Old friends。その歌詞を辿り、曲を思い起こし、それを書いた当時の彼の年齢を思い、そして、その中の言葉、How terribly strange /To be seventy 。現在の彼が、その年に近づいていること。そんな感慨めいたもの。こちらも、感じるものあって、ここでまた、その曲を、歌詞を辿ってみたくなったという次第。                                1941年の10月13日、Newark生まれのポール。誕生月日が、私の父と同じ。両親はハンガリー系のユダヤ人だったんですね。BOOKENDSは、1968年4月3日のリリース。レコーデングには、その2年前の9月から入っていたということのようです。このレコード盤。当時、日本に帰ってきたアメリカ人の友人にプレゼントされまして、今も持っていますね。                                                                                       

Old friends                                                                                                                               

Old friends

Old friends

Sat on their park bench

Like bookends

A newspaper blown through the grass

Falls on the round toes

Of the high shoes

Of the old friends

                                                                                                 

Old friends

Winter companions

The old men

Lost in their overcoats

Waiting for the sunset

The sounds of the city

Sifting throuh trees

Settle like dust

On the shoulders

Of the old friends

                                                                                                 

Can you imagine us

Years from today

Sharing a park quietly?

How terribly strange

To be seventy

                                                                                                 

Old friends

Memory brushes the same years

Silently sharing the same year

                                                                                                      

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ジョルジュ・ブラッサンスのこと

若い頃から、名前は知っていたしあるイメージは持っていたけれども、それほど良くは知らないままにきたというのが、実のところ。ただ、そのイメージは記憶の中にしっかりとありつづけたということで、その時間にはまた何かしらあるんだろうと思うけれども。                                         何年か前の年の終わり頃、、ビデオの貸出をやっている市立北図書館から、ルネ・クレール監督のフランス映画、「リラの門 Porte des Lilas」のVHSビデオを借りてきた。そこで見て、そして彼の歌を聴いて、シャンソン歌手Georges Brassensを漸くにして確かめ見た、というようなことになるだろうか。映画の最初の場面が映し出されると共に、彼の歌が聴こえてくる。曲は、Au bois de mon coeur。酒場の一角で、ギターを弾きながら歌う彼の姿が見えてくる。カウンター前に、友達のピエール・ブラッスール演じるジュジュ。客はもう誰もいない時間。誰に聴かせるともなく歌い、弾いているという、自分の世界だけがそこにあるという風情。役名は、アルティスト Artiste。芸術家という名前が合っている風貌を見せている。貧しいギター弾き。この映画、繰り返し見ました。返却日になると、また新たに借りる。50回以上は見たのではないだろうか。ブラッスールも好きだったし、ギターつま弾きながらのブラッサンスの歌も聴きたかった。それにフランス語への関心も湧いてきていた。モノクロの映画。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

ブラッサンスは1921年の10月22日、南仏のモンペリエ近くの町で生まれている。この映画は1957年制作のものだから、この当時35、6才。生年を知る前には、40代に入っているのではないかと思っていた。額のあたりの髪は後退気味だったし、感情の変化を表情に見せない、思索家のような精神性を感じさせる雰囲気。映画を通して、ほんの僅かな笑みすら見せない、どこかいかめしくデリケートな内面を感じさせる男を、演じているのか、普段の彼もそれに近いのか、と想わせてしまうような印象。俳優というよりは、詩人であり歌手であるブラッサンスがその地のままに、なんとか演技をしているというところだったのだろうか。俳優であるブラッスールとは、対照的。その彼が歌う、何曲かの曲。これが、ブラッサンスなんだという思いで、こちらは関心をもって聴いていた。

ここにきてビデオで、彼の曲を聴いている。また聴いてみたい、ということからだったのだけれども、最初に聴いたのが、確かLes Passantes 。早いテンポで弾きながら歌っていく彼の曲のイメージとは異なる、抒情的に爪弾かれるギターのメロデーに、心をこめて言葉を区切るように歌いあげられていく、彼の晩年のものと思われるような一曲。1981年の10月29日に60才で亡くなっている彼だから、歌っている彼は50代。この曲に強い印象を覚えて、繰り返して聴きながら、映画「リラの門」の中で歌っていた Au bois de mon coeur、あるいは、La marine、Chanson pour l'Auvergnat など、あれこれの曲などを聴いてみた。ブラッサンスという人のイメージに、膨らむものがでてきたように思う。

                                                                                       彼が作曲をしたのは、およそ250曲。そのうちの50曲は未完成ということのようである。歌うスタイルは、ずっと変わらなかったのではないだろうか。ギターを弾きながらの、力のある強い投げかけをもって歌う半面、どこか内気、内省的なパーソナリティを感じさせもするステージパフォーマンス。そうしたスタイルというのか、本来の姿のままとも思える彼。                                        ある晩年のビデオで、それはステージではなく観客に囲まれながらの、トークも入る仲間たちと一緒の中のもので、そのひとりのリクエストで Les passantes を歌うのであるが、そこではちょっと笑みを見せる場面もあった。どこか抑えられた、控え目に見せているような笑み。印象としては、やっぱり映画の中でのようなArtiste、普段も芸術家風貌のちょっといかめしくとっつきにくいような彼なのではないかな、と思わせる、そんな変わらない彼がいつもいるような印象。もちろん、こちらは、その一端しか知らないわけであるけれども。

                                                                                                    そのLes passantesを聴いていて感じたのだが、南フランス出身の影響濃いというその発音。一語一語区切るように、こちらには口真似のできないような微妙なフランス語発音をされるので、時によっては、ちょっとストレスを感じてしまいかねないところも初めの頃はあった。だが、思いこめて、刻み込むように歌いあげられているということでもある。まさに、ブラッサンスというところであるだろう。同じ曲を1958年生まれのFrancis Cabrelの歌できいて、こちらの滑らかな普通のフランス語の調子、そしてギターを弾きながらの曲に、魅了されてしまった。こちらに心地良さを感じて繰り返し聴くうち、歌詞にも慣れてきて、またブラッサンスの方を聴くと、今度は前と違って、とても分かりやすい覚えやすい発音に聴こえる。言葉を大切にする、彼を感じる。                                

                                                             

ブラッサンス。彼の経歴なども読んでみる。ああ、そういう人だったのか、と思うことも多い。結婚は、望まなかったとか。独身人生。彼らしい一面を、そうしたところにも見ることができるのだろうか。フランスの生んだ歌手の中では、特別な位置を占めている人のように思える。他とは、非常に異なるその個性、魅力。 

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今も、アルゼンチンタンゴ流れて

実際のタンゴの演奏を聴いたのは、遙かなむかし、高校の頃に行った慶応の三田祭でのK・B・Rタンゴアンサンブルのものだけ。ヴァイオリンをやっていた私は憧れの思いをもってステージを見、大学に行ったら絶対にあのようなアンサンブルで、などと思っていた。結局、入学した大学ではそれらしきバンドを見つけることができずに、交響楽団。入学してすぐの5月の大学祭で、今は無い記念館でベートーベンの「運命」、シューベルトの「未完成」などを、一員として弾いていた。クラシックも好きであったし、それはまた別の経験で、思い出深い。                                                    けれども今も、やっぱりアルゼンチンタンゴには、特別な思いがあるのを感じている。高校の頃にgirl friendから借りたタンゴのレコード。例えばその中に入っていたアディオス・パンパーミア(さらば草原よ)。今でも、歌うことができる。ということは、それほどにそのレコードを繰り返し聴いたということだろうか。その他、「ラ・クンパルシータ」をはじめ、「夜明け」「バンドネオンの嘆き」「フェリシア」「たそがれのオルガニート」などタンゴの名曲がみんな入っていたと思う。自身の買った「カナロ・イン・パリ」など、シングル盤のいくつかなども、繰り返し聴いている。銀座の確かヤマハ楽器店だったと思う。そこで買ったミゲル・カロの楽団の12曲入ったLP。エンリケ・フランチー二のヴァイオリン、アルマンド・ポンティエル、ドミンゴ・フェデリコのバンドネオン、歌手のアルベルト・ポデスタ。ラウル・ペロン。それもよく聴いた。今はプレーヤーがないけれども、そのレコードはまだ手元にある。大学でやりたいと思い願っていたことが果たされなかった、ということもあるのかもしれない。タンゴに対する私の郷愁のような感覚は異様に強い。                              何年か前、ラジオでタンゴの特集をやった時に、一部をテープにとった。カルロス・デ・サルリ楽団の「バンドネオンの嘆き」、ファン・ダリエンソ楽団の「囚人14号」、他に「ジーラジーラ」「カミニート」など4、5曲。折に触れてもっと聴きたいと思い、近辺のCDショップなどで探してみたりなどしていたのだが、タンゴ、それもアルゼンチンタンゴとなるとごくごく限られてくるような印象で、店に置いていない。皆無に近いようなもの。                                         そうしたことがあったから、数日前に駅内で出店していたKIOSKのワゴンでアルゼンチンタンゴの3枚組CDを見つけることができたのは、幸運だった。                  私が何よりも先ず聴いてみたかったのは、アディオス・パンパーミア。何十年も前に聴いたあの男性歌手ののびやかな忘れがたい声、あの声、あるいはあの声のように歌われた懐かしのその曲。それに、再会したかった。だが、残念ながらそれを歌っていたのは女性歌手で、あの草原の彼方へと向かうようなのびやかさを感じさせるものではなかった。                                    全部で48曲。限られたものである。例えば私が今もレコードを持っているミゲル・カロのLPの中のものなどは、一曲も入っていない。おそらくは、私の知らない素晴らしい曲が数多くあるものと思う。それらタンゴの曲を、少しでも聴ける機会があればと思う。                                             これらのCD、私はまたどれほどに繰り返し聴くことになるのか、分からない。聴きながら、色々と考えたりもするのだろうと思う。なぜに、それほどに魅かれるのか。これまでの長い間、音楽と言えばクラシックやロックなど欧米の音楽の方に行っていたようなものだけれども、ここのところに来てのタンゴに対する感覚は、自分のもっと深いところに触れるもの、何故かは分からない。けれども、他のものよりずっと深く触れてくるなにかのあるもの。そうした聴くたのしみを与えてくれる音楽。ヴァイオリンも好き。バンドネオンも良い。思い入れたっぷりの、大人の男性歌手の深みのある歌いぶりにひきこまれる。哀愁を感じさせるメロディ。                                            むかしの、そのK・B・Rタンゴアンサンブルの演奏の時に、司会者が言った紹介の言葉を思い起こす。「・・・・・ヴァイオリンのすすり泣き・・・・・・・」。                   憧れが、ずっと変わらずにつづいているような思いもある。 

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BOOKENDS THEME/サイモンとガーファンクル

当ブログの1月15日に「冬の散歩道/サイモンとガーファンクル」というタイトルで書いていおりますが、曲の入っているアルバムBOOKENDSの中には他にも、「MRS. ROBINSON」をはじめ印象に残る曲がさまざまに入っていますね。                      その中で、忘れがたく心に残りつづけるのではないか、と思える人の人生にしずかに語りかけているようなBOOKENDS THEMEの言葉、その曲、その深く余韻を残す音楽的表現。いまそのような形のものを残した当時の彼らの若さを思うと、すぐれた才能であったことを改めて思わされて。

BOOKENDS THEME

Time it was,

And what a time it was,

It was . . . . .

A time of innocence.

A time of confidences.

Long ago. . . .It must be. . . .

I have a photograph.

Preserve your memories,

They're all that's left you.

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冬の散歩道/サイモンとガーファンクル

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この画像とSimon & Garfunkelkの「冬の散歩道(A Hazy Shade of Winter)。季節冬、ということ以外ではイメージ異なるものであるようだけれども、この画像をここに載せようかと思っている時に、この曲のことが、冬つながりというだけのもののようではあったが、甦ってきて、この詩を載せたくなったという次第。1960年代後半発売のレコード盤。ずいぶんと聴いた曲。歌ったことのある曲ということになりますか。好きな曲。  Paul SimonとArt Garfunkel。見た感じのタイプちがうふたり。彼らの曲さまざまにありますが、Bookends Themeの言葉など、時にしみじみと思ってみたりなどーーーー。

A  Hazy Shade Of Winter

Time,                                                                 Time,

Time,see what's become of me

While I looked around for my possibilities

I was so hard to please

Look around

Leaves are brown,

And the sky is a hazy shade of winter

Hear the Salvation Army band

Down by the riveerside's

Bound to be a better ride

Than what you've got planned

Carry your cup in your hand

And look around

Leaves are brown.

And the sky is a hazy shade of winter

Hang on to your hopes my friend

That's an easy thing to say,

But if your shoud pass away

Simply pretend but you can built them again

Look around

The grass is high,

The fields are ripe,

It's the spring time of my life.

Seasons change with the scenery;

Weaving time in a tapestry.

Won't you stop and remember me

At any convenient time?

Funny how my memory skips

Looking over manuscripts

Of unpublished rhyme.

Drinking my vodka and lime,

I look around,

Leaves are brown,

And the sky is a hazy shade of winter.

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                                                       Bridgewater Soundofsilence

Mrs__robinson

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